カカシ、ヨウコさんに問う

こんにちは。当サイト管理人のレオです。これはナルト第1部の時に完全に妄想で作った小説をリメイクして書かせていただいております。あまりにも本編にそぐわないので、読んでいただけるのであれば、ほとんど別モノな平行世界的な感じで読んでください。







↓以下本文↓
ここは木の葉の里の長。火影が管理する特殊訓練室。今日10月7日から一週間の間、ナルトとヨウコガ住まう場所である。さすがのカカシと言えど、里のどこも誰もが敵となる慰霊祭に、二人を守り抜くことができるか些かの疑問であったために、火影に相談してこのような措置となったのである。
もちろん、カカシもこの部屋に1週間住まうのであるが、如何せん里を救った英雄の一番弟子である。慰霊祭にでないわけにはいかない。
「ねぇヨウコさん・・・なんで木の葉を襲ったの?」
カカシのふいの質問からこの話は始まった・・・


「昔、我は木の葉の裏山深くに住む普通の狐であった。夫と二人、3人の子をもうけてのう?それはそれは可愛くて、我ら夫婦にははじめての子であったが故に、必死に育てたんじゃ。
やっと1年乗り切ったと思った矢先、里から2人の猟師が来て、我れらの痕跡を探しておった。里にとっては貴重な肉であり、毛皮でもある我ら狐を狩るは仕方のないことじゃが・・・
奴らは我が狩りのために巣をあけていた時に、我が夫と我が子を殺し、わが夫は里に持って行かれ、我が子は3人とも生きたまま皮を剥がれて、我が戻った時には虫の息であった・・・わかるか・・・我ら狐は1年半ほどで成獣となる。あとちょっとで巣立ちであった。あとちょっとで我ら夫婦の宿願叶うはずじゃった・・・
それをあの狩人ども・・・せめて・・・せめて子供だけは生かしていてほしかった・・・せめて、殺してから皮を剥いでやれば、苦しまずに死ねたものを・・・
そんなことをずっと考えておった。子どもらが息を引き取り、巣穴は我一人の場所となり、我は森のさらに奥へと進み、暗い森の奥深くで、毎日毎日ただただ人間を恨み、人間を憎み、人間を狩る側に立ちたいと・・・ただただ願い続けていた。
気づけば悠久の時を超え、我の体には苛烈で邪悪なまでのチャクラが身につき、我は己が復讐を果たすべき時が来たと悟ったのじゃ。
しかし、山を降り、里を見てみれば我が見ていた里とは違った風景が飛び込んで気負った・・・しかも、里には多くの忍がいて、我が夫や子がやられたような猟師は存在していなかったんじゃ・・・
我は落胆してのう・・・チャクラを得て復讐の力を得たのにその復讐の相手がいない。身を寄せる仲間もいない・・・山の奥深くに帰ろうとしたら、里の忍が・・・あれは任務に向かう途中であったのであろうが、たまたまそやつらの下を走っていたうさぎにクナイを投げて、遊び半分で殺したんじゃ・・・
その時、我はなにも考えずとも、その兔を治癒し、その足で里へ向かっていた。
命は遊んでよいものではない。我が一族は人の手によって消えさった。ならば人の一族を我が手で終わらせてもよいであろう・・・
里に本来の姿で降り立った我は、まず彼の忍が帰って来るまで里を破壊して待った。何人もの忍が襲ってきた。何人もの忍を殺した。何人もの里人を殺した・・・それでも我には飽き足らなかった・・・人という生き物が犯した罪はこんなものではなかろう?私利私欲のために命をもてあそぶ愚か者の集まりを何人ころしてもよかろう?
里の大半を炎で焼き払い、逃げ惑い狂う人々をみな滅しようと思った矢先に、4代目火影は我が前に現れた。そして、我に言ったのじゃ
『この赤子は僕の命より大切な僕の子です。僕の命をあげるから、この子を守って欲しい』
と、愛する子のために死ぬという気持ちはイタイほどよくわかる。
我は約束したのじゃ。赤子のへそに封印され、この子の危機に顕現し助け、この子の一生を見届けようと。里では我を命と引き換えに封印したということで火影を英雄視しておるが、奴も人の親。我が子以外考えていなかったのであろうな。
我はこの後十数年をナルトの中で過ごすことに相成ったのじゃ・・・」



カカシは口元を押さえて事の顛末をきいていた。隣に座るナルトは涙を流している。
ヨウコが里を襲ったのは当然ではないだろうか・・・むやみやたらと動物を標的にクナイの練習をする輩などたくさんいる。それをとがめないものがほとんどのこの世界は腐っているのではないだろうか。人を傷付ければバツが下るのに、動物を堂々と傷付ける。そんなことがまかりと通る世界からのしっぺ返しが来たのではないだろうか
ヨウコさんを悪者にして、里の人々は被害者面で毎年慰霊祭を行う・・・
カカシはなんとも言えない苦渋の顔のまま、席を立って外へ行ってしまった・・・



「ナルト・・・良いことを教えてやろう。お前の父は、死神に連れていかれておらんぞ?あまりに強すぎて死神から付き返されてのう・・・あまり長い時間と言うわけにはいかないが、父に会いたければ会わせてやろう。そなたのピンチに駆け付けられる親でいたいという4代目火影の意向をそのまま叶えられるようになっておる。
もしどうしてもピンチの時は父を呼んでみよ・・・答えてくれようて・・・」


木の葉の里に、動物のために悩み、傷つき、里の在り方を考える若者が二人いることに、ヨウコは小さな感動を覚えつつ、
「我は休むぞ」
と、別室に下がっていった・・・



         FIN
「ナルトや・・・さきほどの話はカカシには内緒だぞ。その方が奴の心情的によかろうて・・・それに・・・面白そうだしな・・・」
「・・・?わかったってばよ。」


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