カカシさんと九尾の狐2

「・・・妖孤にヨウコって名前はどうかと思うよ先生・・・」
漂う緊張感をぶち壊すカカシの言葉に、先ほどヨウコと命名された女はむき直る。
「我が吾子が我に与えた名じゃ。我はきにいったぞ?」
ほほ笑むヨウコの頭には大きな耳。背後には大きな9本の尾。そしてあふれ出る強大な赤いチャクラ。あきらかに九尾の狐のはずではあるが、敵意がまったくない。
「あなたが九尾?」
カカシの問いにヨウコはうなずく。
「我は吾子の悲しみにより顕現した。死にたいと願う吾子が不憫でのう・・・いっそこの里を消そうと思うたが、吾子が悲しむでのぅ・・・ところで・・・」
ヨウコは周りを取り囲む暗部に殺気をたたきこんだ。
いくら日頃鍛錬に鍛錬を重ねた暗部といえども九尾の狐の殺気を受け、全員が昏倒した・・・カカシを除いて・・・
「!?」
カカシは瞬時にクナイを構えたが、悪びれる様子もなくヨウコが「ちと内密な話があったのでな」と、ゆったりと地面に腰を据え、お前も座れとでもいうように、地面をたたいた。先ほどの殺気が嘘のようにはんなりとした空気が流れ、カカシは拍子抜けしたような安心したような感覚に陥りつつ、示された地面に腰をついた。



「さて、そなたがカカシ先生じゃな?」
「はい。」
「我が吾子のことをどう思っている?」
「・・・」
カカシは困った・・・「どう思ってるって!!!食べちゃいたいくらいに可愛いし、好きなんだよ!!!」なんて、言えるわけはない。
「かわいい教え子だと思っていますよ」
当たり障りのない返答をする。が、内心ではちらっと見たナルトの寝顔も、可愛くて仕方がないのである。
「そうか・・・さすがの我も人の感情は変えられん。吾子には可愛そうじゃが、、、」
含みを持たせてカカシに意地の悪い笑顔を浮かべ、ナルトの頭をなでる。カカシには何が何だかわからない。
「吾子はそなたが大好きじゃ。ずっと吾子の腹にいたのでな。すべてを知っておる故、成就せぬ恋なれば、傷つく前に思いも記憶も消してしまおう」
「ちょっと待って!!!!!!!俺もナルトを好きだから!!!消さないでよ!!!あぁぁぁぁぁぁ!!!」
恐るるべき九尾の手を掴み、絶叫。。。そんなころは想定済みとばかりに「吾子を通してそなたもみてきたぞ。」と、ヨウコは掴まれた手を引き、ニヤリと笑う。
「・・・俺の気持ちダダ漏れ?」
「あたりまえじゃ。これでもまだ400歳の乙女じゃぞ?恋心には敏感じゃ」
なんだか突っ込みどころ満載ではあるが、ナルトが知らないうちにカカシとヨウコは仲良く(?)なり、ナルトの知らないうちに告白が行われ、ナルトが知らないうちにカップルが誕生した。



そうこうするうちに幾人かの暗部が起き上がり、ナルトも目をさました。
「ヨウコさん・・・着物が汚れるってば・・・」
目をこすりつつ、地面に座るヨウコに自分のジャージを敷くようにさし出す。
「ナルトや・・・我は先にナルトの家に帰っているでな。話が終わったら帰っておいで。」
ナルトにことさら優しい笑顔を見せ、ヨウコは煙と共にその場から消えた。
「手を出す出ないぞ」と、カカシの脳に直接響かせながら・・・



暗部の面々はカカシからの「害はない」というような説明に納得してか、まだ復活しない面々を背負い、それぞれに散って行った。残るはカカシとナルトのみ



「ナルト!!!!!付き合って下さい!!!」
カカシは渾身の勢いでナルトの前に右手を差し出し、真っ赤な顔を下に向け、勢いのみで告白する。
それに驚くやら嬉しいやらでカカシの手に手を重ねてほほ笑むナルト。


「ナルトや。死にたいか?」
脳に響くヨウコの声に
「カカシ先生と生きたいってばよ」
と、声に出して応える。カカシは返事と思い浮かれに浮かれている
「一生大事にします!!!!」




                            fin
オマケ
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」


ナルトを傷つけていた3人の大人は翌日の朝、出勤途中の忍びに全裸でコマネチのポーズで木からぶら下げられ、ひたすらに殴られ、蹴られているという幻術にかかっていたところを発見された。
大人たちは口々に言った。「「俺のに手を出さないで」と言いながら後ろから襲ってきた・・・」と


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