カカシ、長期任務へいく1

「ナルト。愛してるよ・・・」
今日からカカシの長期任務。俺ってばまだまだダメダメなおちこぼれ下忍だから、カカシが建ててくれた大きな屋敷で、しばらくは留守番。
「無事で・・・」ただそう思うけど、その言葉は口にはだせない。忍の世界は祈りが通じるほど甘くはないから。
長期任務の内容は、「戦争を停める。」なんていう大それたもので、どうにもこうにも状況がよくならないからって、里の現役暗部だけでなく、元暗部のカカシにまでその任務が回ってきた。里として肩持ってる国は小さい国で、相手の大きな国は、とってもつよいいんだとか・・・
信じられないほどの数の暗部が消えていっているというその大きな戦争に、カカシが行く・・・
「ナルト・・・ナルトは俺に言ってくれないの?」
カカシはいつものように笑うのが俺にはイタイってばよ・・・
「俺も・・・カカシを愛してるってば・・・」
俺はこんなに涙でぐちゃぐちゃなのに、カカシの笑顔はきれいで・・・
「ヨウコさん。ナルトを頼むよ?」
「無論じゃ。カカシよ。無理するでないぞ?いくら我とて人を生き返らせることはできん。せめて瀕死くらいで帰ってこい」
ヨウコさんが俺を後ろから抱きしめてくれてる。俺がカカシに縋り付かないように・・・
「カカシ・・・ちゃんと帰ってきてね?そしたら、釣りして、買い物いってご飯作って一緒にお風呂入って、たくさんエッチして、疲れて一緒に寝るんだってば・・・」
カカシが無事に帰ってきてくれるならなんだっていい。この際多少のケガなら許すから、どうか神様・・・俺からカカシを奪わないで・・・
「カカシ・・・行くぞ」
カカシと一緒にいくアスマ先生がカカシを呼ぶ。シカマルは真っ赤にした目をアスマ先生に向けて、
「気を付けて・・・待ってる・・・」
小さく告げた。シカマルはなんて強いんだろう。俺もちゃんと見送らなくちゃ
「カカシ・・・いってらっしゃいってば」
「うん。行ってきます。ちゃんとただいまするから、ちゃんと家にいてね?」
そういって、カカシは一瞬にしていなくなっちゃった。






それから数日たって、任務の報告書を出しに行った時
「あの戦争の任務・・・苦戦してるらしいぞ。なんでも、敵国も忍を雇い出したらしい・・・」
そんあ言葉をすれ違いざまにきいてしまった・・・どうしよう・・・カカシ大丈夫かな・・・
「ヨウコさん・・・お願いがあるんだ」
カカシが出発してからというもの、ヨウコさんは四六時中俺と一緒にいてくれる。イルカ先生と会うこともしないで、ずっと・・・
「なんじゃ?」
俺にとってヨウコさんは、仲間で友達で、家族・・・だから、なるべくヨウコさんの力に頼ることはしたくなかったけど、俺はカカシを守るために使えるものはなんだって使うんだ
「戦争・・・とめられる?」
「・・・我が愛しい吾子のためとあらばとめられる。とめてみせようぞ。多大なる犠牲を払うが一瞬で終わらせるなら、敵国を消し去ろう。少々時間がかかってもよいのであれば、敵国の王を説得して見せよう。吾子よ・・・我を頼るがいい。そなたのためならなんでもして見せよう。大丈夫じゃ」
「じゃあ、ヨウコさんの楽な方で」
「吾子・・・しばしそばを離れる故、家にこもっておれ。その戦争で里の空気がピリピリしておる。そなたには危険じゃ。」
そういってヨウコさんは消えた。
俺は里のはずれにある大きな屋敷に、ただ一人。
「カカシ・・・」
モノを食べる気もおきない。カカシのいない広いベッドに寝る気にもならない。大好きな修行をする気もおきないし、立って歩くのすら嫌だ。
カカシは無事かな・・・ヨウコさんは大丈夫かな・・・アスマ先生にけがはないかな・・・カカシは・・・カカシは・・・カカシ・・・
早く帰ってこないと、俺壊れちゃうよ?










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