カカシ、誕生日を迎える

「カカシ!!お誕生日おめでとう!!」
「吾子が頑張ったんじゃぞ?・・・喰え!!」
カカシの目の前には大盛りの天ぷら・・・
「・・・ナルト?なんで天ぷら・・・?」
カカシは冷や汗を垂らしながら問えば
「カカシが好きな物とかよくわかんなかったから、シカマルにアスマ先生に聞いてみてってお願いしたら、アスマ先生が紅先生に聞いてくれて、カカシは天ぷらが大好きだって、アスマ先生と紅先生がわざわざ教えに来てくれてってばよ!!」
カカシ撃沈・・・見事に遊ばれているのが丸わかりなカカシは、ナルトに瞳術で強制的に眠らせ、
「ヨウコさん・・・俺は天ぷらだけは食えないんだ・・・」
「知っておる。そなたはサンマとナスが好きなのだろう?献立見ればわかる。好きなものを週に一回出てくるにもかかわらず、天ぷらなんて献立出てきたことはないからのう・・・我が吾子は忍としての観察力もいまいちだのう・・・」
眠るナルトをみてちょっと残念そうにため息をつくヨウコは、
「我が見ておく故、やりたい様にヤッて来い」
ニヒルな笑いを浮かべつつ、ちょっと発音の違う言葉にカカシは小さく嘆息しつつ、お言葉に甘えて、アスマ、シカマルの家へ・・・




「シカ・・・イイか?」
「・・・んなこときくなよ・・・わかってんだろ?めんどくせぇ///」
『ガッシャーン!!!!!』
メイクラブ直前ってか、もはや気分はだいぶイイ感じなシカマルとアスマの家に、けたたましい破壊音が鳴り響いた。あきらかに窓ガラスの割れた音に、一応木の葉の上忍たるアスマは瞬時に最低限の衣服を整え、乱れる息を意識的に沈め、最低限度の武器を身につけ、クナイを構えて、木の葉の宝たる奈良家の跡継ぎを背後に隠し、扉の方へ向き直る。
『・・・・・・・・・』
物音ひとつしない廊下、まったく感じないチャクラ・・・それだけで侵入者が相当な実力の持ち主だということがうかがえる。確かにだれかが侵入した音がした。なにかがぶつかる音でも、何かが当たる時間でもない。となれば、アスマかシカマルを狙った忍が侵入してきたことがうかがえる。
アスマの額に汗がにじみ、シカマルは自然と己の危険を察知し、態勢を整えるべく明りを付ける。明りがなければ影が発生しない。影の使えない自分がアスマの役には立たないことを承知しているのである。
『かちゃ・・・』
静かに、しかし確かにドアが開く。屋根裏は忍よけが大量に仕掛けられているので、入ってこれるのはここしかないはずなのに、ドアが開いたのに誰も入ってこない。
近くにいるはずなのに存在を認識することができない。
「誰だ!!」
アスマが業を煮やして手裏剣を投げれば、それが空を切ることなく、何かによってはじかれる・・・
「・・・ア〜ス〜マ〜」
地を這うように聞こえてくるのは、同僚の声・・・
アスマは違った意味で冷や汗を垂らした。
「・・・カ・・・カカシ・・・先生!?」
ただならぬプレッシャーと、アスマの声に反応したシカマルが顔をのぞかせれば、廊下の影に佇むカカシ。しかもあきらかに青筋を立て、アスマを睨め付けている。
「カカシ先生どうしたんだ?めんどくせぇ」




事の詳細を訥々と話し出したカカシ。アスマの犯したちょっとしたいたずらがシカ丸との久々の逢瀬を邪魔される原因となってしまったアスマは、目を合わせずに思いっきりため息を付いているシカマルをちらっと視界にいれつつも、カカシに頭を下げて許しを請い、せっかくの二人の時間に邪魔しに来た珍客を丁重に見送ったのだった・・・紅の家への地図を持たせて・・・


その後、里の中心街にある女上忍専用のアパートから盛大な雷が発せられ、紅の悲鳴響いた・・・
翌日、紅上忍は任務を欠席した。理由は「化粧品が全部焦げたから・・・」




家に帰ったカカシは、天ぷらを食べた風にカスなどを皿にくっ付けてからナルトを目覚めさせる
「・・・あれ?俺ってば寝ちゃった?」
「そうだね・・・天ぷらおいしかったよ。でも、俺最近ちょっと油モノが苦手になってきたかも・・・」
なんて、おいしいのに食べられない的な印象を与え、ナルトは
「そっか。おいしかったならよかったってば!!俺ってば今度はナスのお浸し作れるように修行するってば!!」
なんとかうまく誘導することに成功したカカシは、こっそり安堵のため息をつきつつ、ヨウコガ気を利かせて買ってきたケーキで、ナルトに誕生日をお祝いしてもらって大満足なのでした。








おまけ
「・・・イルカは仕事中。カカシとナルトはなんともいい雰囲気で居づらいんじゃ。火影よ。しばしここを借りるぞ?これ、だれか我の相手をしぃや?つまらぬ時間を過ごすくらいなら里ごと滅ぼして我の遊び場に変えてしなうぞ?」
突然の九尾の出現に、なんとも言えない緊張感が漂う火影の執務室。
すぐさま暗部により、強制的に仕事を切り上げさせられたイルカが火影の執務室に呼ばれたのでした・・・

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