カカシさんがご機嫌とり

現在木の葉で一番大きな池には、現在うずまきナルトとヨウコ二人だけが釣り糸を垂らし、魚釣りに興じている・・・
カカシが浮気モドキをしてしまってからというもの。ヨウコはカカシに1ヶ月のおさわり禁止令を発令したのである。
それというのも、ナルトが優しくカカシの罪を許してしまったからである。カカシ自身はそんなつもりはなくても、周りからしてみれば、隙を作ってしまったのである。
カカシはナルト以外に手を出したことはどこからともなく里に漏れ、今まではナルト一筋で見向きもしてもらいなかったが、カカシがナルトに飽きだしたと勘違いした女子は、カカシに手を出すには絶好のチャンスとばかりに周りのくの一が目の色変えてカカシを誘惑しているのをナルトが日々見ていることが、ヨウコには不憫でならず、それならばカカシがナルトを裏切った場合の制裁措置を厳しくしておけば、カカシはよそ見をすればいたい目を見ることが自覚できるし、それによってナルトは安心できるのであれば・・・ヨウコにとってカカシは所詮はナルトを喜ばせ、安心させるためのある種の道具でしかない。カカシ自身も、自分がナルトを裏切れば、里もろとも己の命が奪われることは百も承知であろう・・・
危うくも確実に存在する糸で結ばれた三人なのである。


そんなこんなで、一か月のおさわり禁止期間中のカカシは、その禁止元であるヨウコに今日も媚をうり、ナルトにはサメザメと泣いて同情を誘っているのである。。。


今日は魚釣り・・・それにも関らず、この屋敷の主は姿が見えない・・・そのかわりに、池には竹の棒が何本か据え付けられている・・・
それもそのはず。池の中には大量の多種多様な魚を抱えたカカシがスタンバイしているのである。ヨウコの期限を浮上させるのは魚かイルカしかいないことを熟知しているカカシは、ヨウコの期限をとるために、釣り糸がたらされるたびに様子を見てあくまでも自然に見えるように、魚を釣り針にひっかけるのである・・・

「ナルトや。今日は何を釣る気かぇ?」
「俺ってば今日はマス釣って、マス寿司っての食べてみたいってばよ!!!」
ヨウコとナルトの会話に反応するように動く池の波。
波が動くと釣れる要望の魚。ヨウコは池の水面下に目を凝らし、ナルトに気付かれないようにほほ笑む。いくら人のような姿でも獣であり、神に近しい存在のヨウコである。気付かないはずはないのであるが、ヨウコ自身はおかしそうに微笑んだままで、やけに大きな声で大好物をつり上げようと、ナルトにさらに話しかける
「ナルトよ・・・我は今日は鯵が食べたいのう・・・」
また動く波に、要望の魚。
ここは淡水の池・・・
里一番の忍が、こんな単純なミスを犯すくらいに切羽詰まっていることがおかしくて面白くて仕方のないヨウコはさっさと立ち上がり
「ナルト・・・我はイルカの元へ行ってくる故、留守番をお願い申す。カカシが帰ってきたら、我は今日は帰らぬと伝えよ」
とだけ言い残し、疾風に乗ってヨウコは早々に姿を消した・・・
水面下で話を聞いていたカカシは、若干の違和感を覚えつつも。作戦が成功したと勘違いをしたのか、単純にナルトといられるのが嬉しくて仕方ないのか、先ほどまでの緊張感はどこへやら・・・
水面からナルトに向かってダイブ!!!!!


「ナルト!!!監視がいなくなったから触っていいよね!!!!」
突然池から出てきたカカシに驚いたナルトが、尻もちをつきそうになる寸前で、抱き上げ、お姫様だっこのナルトにご満悦でデコチューするカカシは、ヨウコが帰ってくるその瞬間までナルトにくっついて離れなかった・・・


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