ヨウコさんのつまみ食い

ナルトとカカシが邸宅に帰ってきた。もちろん、我も帰ってきたぞ。
・・・ムッ!?
なにらや池で動いておる・・・魚じゃ!!!!
マス・オイカワ・ウグイ・おぉ!!サケもおる!!迷うのぅ・・・おいしそうじゃのう・・・
お?カカシとナルトが家に入って行きおったぞ?
それはチャンスかや?
・・・おいしそうじゃのう・・・『バシャ!!』
むっ・・・鯉か・・・まぁいい・・・ナルトのことじゃ。すぐにまた池に来よう・・・食ってしまわねば!!
「イタダキマス」
ビチビチはねて活きがよいのは嬉しいが、少々喰いづらいのう・・・


「あぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
あらら・・・出てきてしもうたか・・・しかし、我とて久々の活きの良い食事じゃ。人間の食すモノはみな死んでいるし、調理されていて、それはそれで美味じゃが、たまには野性味あふれるモノが食いたいんじゃ!!!
とりあえず、ナルトにむさぼっているところも見られて嫌われては困る故、見えぬ場所へ移動せねば・・・


うまいのう・・・久々の味じゃ。しかし、人間はなぜにわざわざ切って洗ってくうのかのう・・・

『ダッダダダダダッダッダダダダダッダダダダ!!!!!!』
ヤバい!!!イルカじゃ!!見つかったらまずいぞ・・・ただでさえ最近は怒りっぽいのじゃ・・・スズメを食おうとしたら怒るし、箸を使うのが面倒で顔を突っ込んだら怒るし、風呂は嫌いだと言えば怒るし・・・ストレスがたまっているのかのう・・・しかし困った
今はナルトの元へ逃れれば。ナルトに怒られカカシに邪魔だと邪険にされるであろう・・・しかし、イルカに見つかればきっとまた怒られる・・・
「見つけた!!」
・・・見つかる前に・・・え?・・・見つけた?・・・
「イルカ!!!」
「ヨウコさん!!あれほど野生化しちゃだめだっていったじゃないですか!!せっかくきれいにしてるのに・・・しかも、ヨウコさんの今の姿は人間よりなんですから、人間らしくしてないと!!だいたい、魚なら魚屋さんで買えばいいし、刺身にすればなまじゃないですか!!」
むぅ・・・刺身は生ではない!!我は断じて認めぬぞ!!
「・・・」
「ヨウコさん・・・もう池の魚食べちゃダメですからね!!そこらへんにいる生き物食べるの禁止!!ちゃんと買ってきて調理したものを食べてください・・・。人間らしく、ちょっと狐っぽいのはしょうがないですけど、我慢できる部分は頑張って・・・
じゃないといつまでたっても一緒に暮らせないじゃないですか・・・」
「イルカ〜!!!!我がんばるぞ!!もう食わん!!ちゃんと料理したものしか喰わんぞ!!」
嬉しいのう・・・尻尾がルンルンしてしまうではないか!!!
「イルカ〜!!!大好きじゃ!!」
「・・・俺もです・・・」
照れて真っ赤になった顔にチューをすれば、恥ずかしがり屋のイルカは小さくチューを返してくれた。




「なんやかんや言ってもあの二人は幸せなんだろうな〜」
ホットミルク片手に釣り雑誌で真剣に釣竿を吟味するナルトを膝に乗せ、読唇術で会話を見ていれば、あっという間にお説教の場が愛の場に代わっている庭。
負けてはいられないとばかりにナルトの頬にキスすれば、ナルトが頬にキスを返してくる。
「ナルト〜大好きだよぅ」
「俺もカカシが大好きだってば!!」


今日も木の葉は平和でのどか。
バカップルは増殖中・・・

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