カカシさんと無事帰宅。

今日はナルトの退院の日。
ナルトのために建てた大きな家は、ナルトが入院し、カカシが付きそいでいなかった無人の間にハウスクリーニングを入れ、テンゾウを呼んで庭の手入れをさせ、入院中に釣りに興味を持ち始めたナルトのために池に魚を放流した。
「完璧!!」
ナルトの寝ている間に、カカシにしては珍しく早朝から家の下見。カカシ自身はナルトの護衛でまったく家に帰っておらず、すべてを業者にまかせっきりだったので、若干心配になり、見に来たのである。
庭の出来栄えと、池にいる魚たちにひとしきりうなずくと、カカシは音もなく帰っていく。ナルトのいる病院へ・・・


「ナルト君。退院おめでとう!!」
主治医からの言葉に丁寧に礼を述べ、カカシとナルトはゆっくりと肩を並べて家に帰る。


「わぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
庭にもともとあった木に加え、木が増えたことに喜び、大きな池に魚が跳ねたことに驚き、家に入ればピッカピカなことに嬉しそうに飛び跳ねる。
ナルトはもとの元気なナルトに戻ったのだと感慨もひとしおのカカシに、ナルトは「そう一回池に行くってば!!」と言って外に出てみれば・・・
「ヨウコさん!!!!!!!」
せっかくナルトのために入れた魚を咥え、影に隠れようとするヨウコ発見。
「なんじゃ!!我とて獣じゃ!!たまには生も食いたいんじゃ!!」
ヨウコ開き直り。そしてナルトに見えないように配慮したのか、魚をくわえたまま高い木の上に姿を消した。カカシは忍犬をイルカの元へこっそりとやり、生魚のにおいに当てられないようにそっとナルトを抱き上げて、ちょっと離れたベンチに腰掛ける。
「カカシ〜ありがとだってば!!俺がシカマルに言われて釣りが気になんのしってたってば!?」
カカシは「またシカマルかよ・・・」とかおもわないでもないが、そこは大人の意地でさわやかな笑顔で「喜んでくれてよかった」と、表現した。しかし・・・
「シカマルは竿をもってるってば・・・アスマ先生にもらったって言ってたっば・・・」
ぽつりとささやいたナルトの言葉にカカシは
「じゃあ、退院祝いに買ってあげるから、明日釣具屋さんにいこうね」
と、右頬をひきつらせながらも笑顔で告げれば、ナルトからは天使のようなまぶしい笑顔が返ってくる。その笑顔にカカシは「まぁいっか」とか思い、烈火のごとく吹き出すチャクラを放ってこっちへ来るイルカに苦笑いをして、被害をこうむる前に・・・と、ナルトを抱いて家に入って行った。


この後、木の上でお食事中のヨウコがこっぴどく怒られたのは言うまでもない。




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