ヨウコさんはイルカの!!!

今日も今日とて木の葉一のバカップルはラブラブでお買いものしている。
その後ろを狐耳と9本の尻尾を持つ美女が付いていく。
「ナルトや・・・我はあまり外に出ん方がよいと思うのじゃが・・・」
ここは九尾の狐が壊滅寸前までに追い込んだ里である。いくら今は人のような姿になろうとも、耳もあるし、尻尾なんて9本のままである。
ヨウコは気まずそうに明らかな侮蔑と恐怖を向けてくる里人の視線を、苦笑いしつつ手をつないで歩くカカシとナルトの後ろを歩く。
「ヨウコさんは気にすんなってばよ!!」
ナルトは物心ついたころからずっとそんな視線に晒されてきた。そして、ナルトの中にいたヨウコもナルトがどんなにつらい目にあってきたのは知っている。だからこそ、変化もしていない自分がナルトのそばにいることが不安でならない。
ただでさえ愛されることを覚えて、やっと人としての居場所を与えられたナルトが自分のせいで虐げられるのは見たくないのである。
深く思考の海にいたヨウコは愛しい人の気配を感じ、本人も気付かないうちに9本の尻尾が嬉しそうに揺れる。
「イ〜ル〜カ〜!!!!!!!!!!!!!」
前方でなにやら忍としゃべっているイルカに向かってもうダッシュ。ヨウコは先ほどまで下を向いて尻尾を下げていたのに、イルカを見つけた瞬間のヨウコはまさに乙女・・・きらきらと輝く瞳、嬉しそうにほほ笑んだ表情、ついでに持ち前の美貌・・・両サイドにいたヨウコを恐怖のまなざしで見ていた里人の目はハート・・・


「ヨウコさん!!」
ダッシュしてきたヨウコの腰あたりを抱き上げ、クルクル・・・
「ヨウコさんは軽いなぁ・・・」
抱き上げたままでヨウコからのほっぺチューを受けているイルカは、遅れて到着したカカシとナルトを見て我に返り、照れつつもヨウコを抱っこしたまま・・・なぜなら周りの老若男女がヨウコに見惚れているからである。
「ヨウコさん抱っこずるいってばよぉ」
ナルトがうらやましそうにヨウコを見ていると、カカシがナルトを抱き上げる。
「ヨウコさんと一緒〜!!」
キャッキャと喜ぶナルトとヨウコは本当にきれいで可愛い・・・しかも、最近は愛し愛されているからか、まわりの人間が見惚れるほどに美しい。
キャッキャとしている二人を抱っこしている二人は周りの里人に対してものすごいプレッシャーをかける。
ぶっちゃけカカシに至っては殺気を出しまくっているため、里人はナルトをあまり見つめられない。その分、ヨウコをちらちらと見つつ、イルカの隙を窺っている。
「イルカ・・・茶が飲みたいでのう・・・買ってはくれぬか?」
ヨウコはさっさとイルカから降り、抱っこされているナルトの頭を撫でつつ、イルカにおねだり・・・先ほどまで縮こまっていたはずのヨウコは今は「お願い」と言うように尻尾を振り振りしながら手を口元で合わせる。「ハァ・・・可愛い・・・」なんて、イルカは見惚れつつ、うなずいて近くの自販機に歩いて行く。
「あの!!すいません!!もしよかったら俺とご飯でも行きませんか!?」
見ず知らずの男に声をかけられるヨウコ。一人が声をかけたら後は何人かの野郎どもに囲まれてどうしたらいいかと困り気味・・・はらはらとしつつ助けに入ろうとしたナルトはカカシの抱っこから降りてヨウコのそばにより、「ダメだってばよ!!」かと叫びつつ、何気なくお尻を触られているような気がするが、当たってしまっているだけだろうと気にも留めずにヨウコを庇う・・・が・・・そんなのカカシが許すわけもなく、カカシはナルトを抱っこして周りの野郎どもをなぎ倒す。
それこそ雷切より威力のありそうな拳を、どさくさまぎれにナルトの尻を触っていた男に落とした。

そこへイルカが戻ってくる・・・
「イルカ!!助けてくれ!!我はどうすればよいかわからん!!」
と、助けを求めるヨウコを発見・・・
『ブチッ』
という音と共にイルカは野郎どもの押しのけてヨウコを抱き上げる
「俺のだから!!!!!」
イルカが叫ぶとともに、ヨウコは顔を真っ赤にして「イルカ〜」と抱きつく。
イルカも我に返り、恥ずかしさに真っ赤になるが、嬉しそうに尻尾を振るヨウコに「まぁ、いいか」とか思ってしっかりと抱き返し、
「カカシさん。ヨウコさん借ります」
と、ナルトとカカシにぺこりと頭を下げ、商店街の先にあるイルカ宅に向かって歩き出す・・・


木の葉は今日もバカップルがいっぱいです


          FIN


[ 77/81 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]



トップへ


「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -