ヨウコさんデートする

ここは木の葉きっての大豪邸カカシとナルトのおうちである。
「カカシ〜」
「ナルト〜」
「「おはよう」」
朝の濃密なチューから始まるバカップルは、今日も仲良く起床します。
二人は手をつないでリビングへ移動すると、いつもなら離れの和室から二人の気配を感じて出てくるはずのヨウコさんが出てきません。
「ヨウコさんどうしたんだってばねぇ?」
「今日は任務ないはずなんだけど・・・」
「任務?ヨウコさんにはもともと任務なんてないってばよ?」
ギクッと肩を動かすカカシに「寝ぼけてんのか?」なんて言いつつ、朝食の準備に取り掛かります。おバカなナルトは疑うなんてしません。
一方のカカシはヨウコさんの気配を探ります・・・「ん?部屋にはいるけど、いつも見たいに卓越したチャクラコントロールはどうしたんだろう・・・ダダ漏れなんだけど・・・近くを暗部とかが通ったらどうしましょ・・・」なんて、若干緊急事態にのんびり考えつつも、ナルトのエプロンすがたに萌え・・・「あ〜・・・フリルのエプロン買ってこよ・・・」なんて不埒極まりない想像付きで考え中・・・


一方ナルトはヨウコさんが心配で心配でしかたありません。そこへ・・・
『ピンポーン』「ガタガタ!!我が出るぞ!!」
インターフォンが鳴り、それにけたたましい音を立てて玄関へ向かうヨウコさん・・・
「怪しいってばね・・・」
さすがに何かに気づくナルト
「ん〜この気配はイルカ先生?」
さすがに腐っても上忍。瞬時にインターフォンの相手を割り出し、ナルトに「今日は出かけようか!!」と持ちかける



「ナルト!!カカシ!!我は所用で出かける故、夕飯はいらぬ。では、いってまいるでの」
明らかにいつもの着物とは違う。落ち着きの中にも華やかさのある着物。
いつもの尻尾も耳もしまっているし、化粧もナチュラルで、まるで人間。しかも極上美人・・・。
効果音をつけるなら『ウキウキルンルン』とでもいったようにとんで行くヨウコさんを二人はニヤニヤしながら見送った。




「イルカ。待たせたのう」
瞬身で玄関先に現れたヨウコは美しかった。イルカの胸は超高速で鳴る。
「おはようございます。ヨウコさん。今日もきれいですね」
これでも最高潮に緊張しているのだが、なんだか饒舌なイルカ。実はタラシの才能あり?
「ホホホ・・・嬉しいのう」
素直に喜び、ニコニコとしているヨウコにイルカがスッと手を差し出し、ヨウコはそれに手を重ね、二人はゆっくりと里の商店街へ向かった。



「イルカ!!イルカきてみよ!!これじゃ!!これがうまいのじゃ!!」
本日のデートスポットは『スーパー木の葉』木の葉商店街一番のスーパーで、安さと品ぞろえが自慢のお買いもの所である。ちなみに、デートで利用する客は少ない・・・というか皆無であろう・・・。
しかも、片や忍、片や和服の美女。周囲の人間は「お姫様の護衛任務?」とか「深窓のお嬢様の社会科見学?」とかヒソヒソと話しているが、どこぞのバカップルと同等かそれ以上にお互いしか見えていない二人には関係のないこと
「ヨウコさん。油揚げは買えますから、落ち着いて・・・」
イルカはくすくすと笑う。いつもは何事にも冷静で、どこか憂いを帯びている思い人が、こんなにも楽しそうにしているのであれば、今日のデートコースの選択は成功といえよう。


レジに並ぶそんな退屈なはずの時間もヨウコとなら楽しいイルカなのでした。




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