カカシさんと忍1

ぐっすりのナルトを抱えて入浴を済ませれば、窓には忍鳥の姿が・・・
「なに?任務?」
忍鳥には手紙がくくりつけられている。
『はたけ カカシ上忍

Aランク任務あり。
至急火影邸へ来られたし 以上』

読んだ瞬間に忍鳥へ向かって「すぐに行く」と言えば、忍鳥は霧のように霧散して消えた。
「あの忍鳥・・・っていうか式かな。なんかいつもより気配がないって言うか、なんだか変・・・でも、持ってきてるのは火影様の印もあるし・・・」
カカシはいつもは燃やしてしまう巻物を胸元にしまい、
ナルトがぐっすりな事を確認して『ちょっと火影様に呼ばれたので、出かけてきます。おなかがすいたら食べてていいよ。』と、小さめのカップ麺(駄菓子屋さんとかで帰るサイズ)と手紙を残し、カカシは火影邸へいそぐ。



「くそぅ。ヨウコさんは今頃イルカ先生とデートだもんなぁ・・・ナルト一人になっちゃう・・・行きたくないけど、行かないと火影様に怒られるし、ヨウコさんに行ってもらったら、イルカ先生にもヨウコさんにも怒られるし・・・」
独り言を盛大に吐きつつも火影邸へ・・・

「はたけカカシ 参上いたしました」
「入れ」
おごそかに開かれる執務室の扉を後ろ手に閉めたところで火影は
「もう来たのか。直にヨウコとイルカも来るじゃろう。」
話はそのあとじゃ。とでもいうように火影は机に向かい、サラサラとなにか書いている。



15分もしたらヨウコとイルカが執務室を訪ねてきた。
それと同時に何人かの暗部の気配が火影のそばに戻る
「そろったか。では、これより今回の任務について話をする。心して聞け」
三人三様に姿勢をのばした。
「先の巻物にも書いたとおり、ナルトが何者かに狙われている。
先日、壊滅させた抜け人集団のうち、元木の葉の上忍1名、元霧隠れの上忍2名がまだ逃走中じゃが、そいつらのアジトにナルトの登録証の写しと、そなたらの家の間取りがあった。そして、九尾にかんする文献や、クナイの刺さったナルトの写真・・・おそらく九尾を・・・ナルトを介して恨んでいるのであろう・・・」
カカシは違和感を覚える。隣にいる二人は納得顔で聞いているが、カカシにははじめて聞かされる話なのだ。
「火影様。俺の巻物にそんなことは・・・」
違和感に気づく。「そんな大事な巻物を忍鳥に託すか?俺だけ忍鳥型の式なんてありえないし、第一、俺が家から来るよりもヨウコさん達の方が街にいるんだし、早いはず・・・しかも暗部が巻物を持ってくるのであれば忍鳥より早いし・・・。」
「火影様。俺の手元に来た巻物はこれです。」
カカシの胸元から取り出した巻物は確かに木の葉のもの。火影の印もしっかりしている。しかし、なにかがおかしい、、、
「これはわしがだしたものではない。印はあるが、これは曲がっておるから、わしはだしておらんぞ。」
カカシは巻物をもってヨウコに迫る。
「ヨウコさん!!なんかかんじとれない?前に写真から情景わかるって言ってたじゃん!!」
「・・・これは・・・カカシ。これを書いたのはこの里のものではない!!霧の忍が書き損じの巻物に書いたのじゃ!!」



「ナルトが危ない!!」
カカシは突然消え、他の者も一瞬で後を追った。
ただ一人火影だけが苦虫をかみしめたような苦しげな顔で、控えていた暗部に「お前たちもいけ」と指示を出す。
「ナルトや・・・どうか無事で・・・」
火影の切なる願いを聞く者はいない。




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