カカシさんと大きなおうち1

「カカシ先生おそいってばねぇ」
今日も今日とて待たされる第7班の面々。一緒に住んでいるはずのナルトがなぜ待たされるかというと、カカシと共に行動すると遅刻するから・・・。しかし、待たされたのでは意味がない。
「もう我慢できないから家に乗り込むわよ!!!」



INカカシ&ナルト邸
「「・・・・・・」」
絶句の二人・・・サクラとサスケが建築中の大豪邸を見たのが2週間前・・・通常であるならばできるはずもない期間で完成している・・・
「ワンワン!!」
広い庭にはカカシの忍犬が遊び、庭の端にある家庭菜園は耕したばかりなのだろう心地よい土の香りを放っている。
「二人とも入るってばよ」
大きな門は声紋を認証するらしく、ナルトがしゃべるとおもむろにドアが開いた。
忍犬が数頭遊び、家庭菜園、畑、演習場と思しき金網、大きな気にはナルトが好きそうなブランコ・・・広い・・・とにかく広い・・・
「な・・・!?」
サスケは口を開いたままあんぐりと周囲を見渡す。
そこには、木の上でのんびり本を読むカカシがいた。
「てめぇ!!何やってやがる!?集合時間はとっくに過ぎてるんだぞ!!」
サスケが怒鳴るもの意に返さず、カカシは音もなく木から着地すると、ナルトの頭を一撫でして「おはよう」とほほ笑む。
「さて、おはよう諸君。今日の任務がキャンセルになりましたので、今日は演習で〜す。」
まるで今が集合時間で、ここが集合場所とでもいうようにカカシが話をはじめて、勝手に歩き出す。
「この家の演習場をフル活用して、体術の訓練をしま〜す。」
フルフルと震えるサクラとサスケをしり目にカカシはナルトの「やるってばよぉ!!」とぴょんぴょんはねている姿ににこやかに視線を向ける・・・


「鬼ごっこしよう!!俺に触れたらみんなの勝ち。」
「触れなかったら?」
「明日の任務を草むしりに変更しまぁす。」
「・・・!!!???」
三人三様にげんなりした顔の下忍たちは口々に絶対いやだ。とつぶやきながら闘志を燃やす。



「じゃあ・・・開始!!」
号令と共にいなくなるカカシをサスケは車輪眼で追う。明らかに影分身を残して本体が演習場の外に出て行ったのを確認したサスケは
「ナルト!!影分身を出せ!!サクラ。そいつは影分身だ。まともに戦うとチャクラを消費しちまう。まいて逃げるぞ!!」
サスケの掛け声とともにナルトが出した影分身がカカシを抱きしめる「逃がさないってば」「行かせないってば」「カカシ〜撫でて〜」「ずるい!!俺も〜」などと賑やかにカカシの影分身を押しとどめる。
「はぁぁぁぁ幸せ・・・」
動こうと思えばいくらでも動けるカカシであるが、幸せに弛緩し過ぎて動けない・・・「ナルトがいっぱい」と幸せそうにつぶやきながらせっせと影分身のナルト一人一人を撫で撫でした・・・


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