B short | ナノ





「あ」
「なに?」


なんか、変なことでもあったわけ?
間違えて電源ボタン押したとか?
幸村ならありそう。


「その……なまえ殿のアドレスに、某の誕生日とイニシャルが入っているのだが……」
「あ、いや、その…………」


やば、忘れてた。
幸村は、携帯なんか持たないと思ってたから、油断して普通に使ってたんだ。


「っ、偶然ではないのでござるか……?」
「う、うん……まぁ……」

頭をかきながら言うと、幸村の顔色がまた、真っ赤に変わった。


「そそ某のアドレスも見て下され……!」

そう言われて幸村のアドレスに目を通した。


「私の誕生日とイニシャル……」
「ぐ、偶然ではござらぬ!」


佐助に頼んでそのアドレスにしてもらったのだ……と真っ赤にしながら言う姿にきゅんときてしまった。


「なまえ殿の誕生日やイニシャルにすれば、一緒に居られるような気がして……」


なにその理由。
単純過ぎじゃん。

しかもさ、なんていうか……。

「私も同じこと思ったんだけど……」


ぽつりと小さく呟いて、熱くなった顔を隠した。
まさか一緒のこと考えてて、一緒の気持ちだったなんて。 



同じ思考回路
(初めて送信したメールは『好きかもしれない』初めて受信したのは『某は好きでござる』)
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