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再び動き出したを式神に、戦っていた悟空と紅孩児は呆気にとられて攻撃を直撃してしまった。 「紅孩児様ッ!!」 式神の攻撃で壊れた壁が紅孩児に降り注ぐ。 それを庇うようにして八百鼡が紅孩児の上にかぶさる。 私はそれを見るとギリギリの所で八百鼡の上に被さり大虎になった。 背中に痛みが走ったがそれに耐えて二人の上から退いた。 「大丈夫ですか?」 そう尋ねると八百鼡は頷いた。 漫画通りなら怪我をするはずの彼女の安否にホッとした。
悟空と紅孩児がアイツを倒すらしい。 私はそれを聞くと虹龍となって蟹に絡み付き締め上げる。 ボキリという音と共に数本の脚が蟹から外れた。 さらに力を込めて締め上げれば固い甲羅にヒビが入った。 私は元に戻ると悟空に近づいて 「ヒビの場所に如意棒を刺せます」 そう言うと悟空が元気よく返事をした。 私はそれを聞くと三蔵達の所へと歩いていった。 「背中見せてください」 八戒にそう言われてキョトンとする。 背中に何かあっただろうかと考えてから先程背中を怪我したことを思い出した。 けれどもう治っており痛みはない。 とりあえずクルリと振り向いて背中を見せると三蔵の舌打ちが聞こえた。 「こいつは心配いらねーよ」 「三蔵、真奈美さんは女性ですよ?」 三蔵の言葉に八戒が咎めるようにそう言った。 私は振り返ると目の前に李厘がいて、思わず後ろに下がる。 「な、何ですか?」 「ん〜?お姉ちゃんって本当に人間?」 その言葉にピシリと固まった。 『この化け物!』 『あんたなんか人間なんかじゃない!化け物よ!!』 思い出した過去に目眩がする。 慣れているはずの過去とは違う風景と目の前の笑顔が私の中の闇を引きずり出すかのように心に何かが滲み出て…
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