私は平凡な家庭に産まれた。
産まれた頃から『悪魔の生まれ変わり』と呼ばれていて、愛なんて無くそもそも育てられてすらもらえなくて…それでも生きているのはこの能力のおかげで、けど『悪魔の生まれ変わり』と言われたのはこの能力のせいだった。
この能力は私自身の発達を早めていてこの時にはすでに簡単な感情なら出来上がっていた。
育てられてすらいなくても触ることで見ることで真似をできる私には、生きる術は赤ん坊でも使うことができて、それはあまりにも異様な光景でいつも母に
「生まなければよかった生まれてこなきゃよかった」
「早く死ねばいいのに」
「この悪魔!!!!死ねよ!」
と言われていた。
そして殺されかけた時もあった。
けれど
「なんで…なんで死なないのよ?!」
死ななかった。
刺しても殴っても傷口が塞がり死ななかった。
そして親は離婚して母が父に無理矢理引き取らされた。
その日は私の1歳の誕生日だった。

母は私を嫌いで暴力ばかりだったが働いていなかったから私の能力に頼っていた。
私を連れてはブランド品の店に行き、それを見せて私に変えさせた。
その頃から演技を真似するようになっていて、そんな母が再婚したのは私の3歳の誕生日の日だった。
その男は母よりも若く良い印象は持てなかったのを覚えている。
いや、5歳になるまで母もこの男も良い印象などなかった。
5歳で役者になった私はそれまで物を変えるのとサンドバックでしかなかった。
殴られても泣かない私は暴力など受けているなど近所の人も知らず、お金のある夫婦としか見られていなかった。
5歳の頃、演技をするのが楽しかった私は親に内緒で試験に応募して受けてみたら見事合格だった。
それで家に人が来て事が進み子役としてテレビに出演した。
その時から親は暴力を止めた。
代わりに目付きがさらに嫌なものに変わっていた。
徐々に出演回数が増え色々な人と握手をするようになった。
そのおかげでその人たちの演技を真似できるようになり、さらに仕事が増えた。
勉強も自分からしなくても知識として触れば入るから仕事で学校に行けなくてもいつも満点だった。
ただ、人生がとてもつまらなかった。
そもそも私をちゃんと見てくれる人などいなかった。
親は金のための道具、学校の先生は良いマスコット、生徒は自慢のための道具。

▼存在否定される道具

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