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「真奈美スゲー」 「何をするつもりなんですかねェ」 悟空と八戒がそう話していると葉に三蔵は話しかけた。 「そんなに神に近づきたかったら死んじまえ」 「あ……」 「死ねば誰だろうが仏になれるぞ そこの坊主達みたいにな」 そう言うと葉は死んだ仲間を見てへたり込んだ。 「でもまあ残念なことに 俺達はこれで生きてるんだなコレが」 すると雲の切れ目から大きな轟きが聞こえたかと思うと雷が落ちた。
私は雲の中で吼えると落雷を1つ落とした。 下に降り元に戻ると三蔵のハリセンをくらった。 「真奈美!!?お前雷落とすなら先に言えよ!!!!!!!」 痛みで頭を抱えていると悟空にそう言われた。 「だって…死なない奴ですし、寺院直したましたし…」 「ビビるっての!」 先程の落雷で寺院を全て直したのだがこうも言われるとしょんぼりする。 「まあ、真奈美さんも悪気があったわけではないですし、それに亡くなった方も埋葬されていますし」 八戒がそうフォローを入れてくれた。
「今回のことで我々がいかに危機管理がなってないか思い知らされました。死んだ僧達の魂をムダにせぬ様に致します」 そして私に頭を下げ 「寺院の修復ありがとうございました」 「いえ。…あ、少しだけ豪華にさせていただきました」 本殿の中に金の施しを思いだし告げると寧ろ喜ばれた。
「ねぇ」 葉に話しかけるとびくりとされた。 「コレあげるわ。後で見てね」 そう言って包みを渡す。 「ありがとう…ございます」 一応ここは女人禁制のため男の姿の私は元に戻りたく、返事を聞くとさっさと寺院を出る。 「三蔵様 全て片付きましたら又この寺に立ち寄って頂けますか? その時は私に麻雀を教えて下さい」 「…覚えておく」 その言葉が小さくだが聞こえて自然と笑みが溢れた。
三蔵様達が立ち去った後、貰った包みを開けると装飾の綺麗な小さな刀が入っており、それに添えて『飾っておいても使ってもどちらでもいいわよ』そう書かれた手紙があった。 「あの方は…」 1つ考えが浮かんだが言わないでおく。 麻雀を教えて貰うときにあの方にお聞きすればいい。 そう考えると貰った刀を優しく抱きしめた。
「ねぇ、私の服って地味ですか?」 峠を降る最中そう皆に尋ねた。 「俺的には真奈美ちゃんのチャイナ服が見たい」 悟浄にそう言われてとりあえず無視する。 「別に気にするほどではないと思いますよ?」 そう言われてほっとする。 「どんな服でも汚れるし」 その悟空の一言にそういえばと納得する。 「おい…疲れた」 三蔵にそう言われて私はまた金虎に変身する。 すると重みが前よりしており背中を見ると悟空も乗っていた。 「"悟空は兎"…三蔵悟空をよろしく」 そう言うと歩き出したのだった。
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