私は元の姿に戻ると、三蔵と八戒を置いていった二人のいた後部座席に移動して辺りを見回していた。
やはり前のセカイとは違うな…。
そう考えつつ見たことの無い町の雰囲気にワクワクする。

と、なにやら二人が喧嘩だかわからないがチンピラのような男を蹴り倒していた。
「おい悟空!悟浄!
あんまり派手な行動をとるなっつっただろ!?」
「僕らも充分目立ってますよ三蔵」
「8.5倍は地味だって」
「当社比だろ?」
思わず原作と同じ会話にポーカーフェイスを保っているが、内心かなりはしゃいでいる。
と、近くに骨董品の店がありジープからこっそり降りて中を覗く。
店内は薄暗いが…はたして、やっているのだろうか?
「すみませーん」
そう声をかけると奥から店主が出てきた。
「あの、宝石を売る事はできますか?」
「あぁ勿論」
そういうと持ち合わせていた宝石を渡す。
「…全部上等な物じゃないか!それもこんなに!」
そう叫ばれるとお金を渡された。
そのお金を店主に見えないようにブレスレットに変化させて腕につけると
スパンッ
「〜っ!!?」
頭に痛みが襲い、頭を押さえてうずくまった。
「一人で行動すんな。お前はバカ共と同じか」
痛みの原因は三蔵らしく、腕を引いて歩き出した。
まぁ、お金は手に入ったから良いかな。
あとは八戒が買い出しに行くときについて行って財布を見繕うかな…
そう考えながら今夜の宿屋へと腕を掴まれながら向かった。

▼初めての町

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