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少し離れたところで見ていた悟空達は助けに入ろうとしたが三蔵がそれを引き留めた。 「何すんだ三蔵!真奈美ちゃんを助「黙ってあいつを見てろ。…いざとなったら助ければいい」 「ですが三蔵、女性ですよ。黙ってみているわけには…」 「それに真奈美しゃがんでんだぞ?!いざって今じゃないんかよ!」 と、目線の先には白銀の毛並みを持つ逞しい狼が彼女の代わりにいた。 「あれ?真奈美は?」 きょとんとしていると次々と敵を噛み殺していく。 そして数人は何故か消えていた。 まさかの展開に目をぱちくりさせていると、その狼がこちらに向かってやってきた。
「これは私の能力の一部です。」
そう先程まで会話をしていた声が狼から発せられた。 「真奈美?」 思わず聞き返してしまう。 つまり彼女は狼に変化できるのか? そう考えていると三蔵も同じことを考えていたらしく尋ねていた。 「狼以外にも何でもなれます」 そう言うと狼は虎、白鳥、男、女、銃、とコロコロと姿を変えて元の姿に戻った。 「すっげー!俺にはなれんの?!」 悟空がそう言うと真奈美は悟空になった。 「凄いですね」 「いえ、これはまだ一部なので…他にも」 と、未だ悟空の姿のため違和感がある。 「とりあえず真奈美ちゃん戻んない?そのかっこーでその喋りだとなんか違和感がすげーんさ」
「で、他ってのはどんなんだ?」 真奈美が戻ったと同時に三蔵が尋ねると、悟空が猫に変わった。 「にゃっ?!」 「こういうのです」 そういうとすぐに戻した。 「先程のは術を解かない限り永久的にそのままです。」 「…もしかして先ほど消えた妖怪は何か別のものに変えたんですか?」 「はい。砂に変えました。他には…」 と、僕に手を伸ばされ軽く触れられた。 その手はあまりにも冷たく、思わず顔を見ればいつの間にか真っ青になっていた。 これには三蔵も止めさせ 「…とりあえず町に急ぐぞ」 そう言うと近くにあったジープに乗り込んだ。 「彼なりの貴女への配慮です」 そうこっそりと呟くと八戒もジープに乗り込んだ。
4人が乗って私はどうするべきか考えた。 乗るところがない。 こればかりは八戒もどうするべきか考えているような顔をしている。 私は恐る恐るジープに近づき運転席に近寄ると 「あの…膝を借りてもいいですか?」 そう八戒に小さい声で尋ねた。
「その能力便利だな!」 身を乗り出して悟空は私に話しかけてくる。 現在私は八戒の膝の上に大人しく座っている。 「それにしても何故僕の膝の上何です?」 『…安全そうだったから』とは死んでも言えない。 どう説明するか悩んでいると 「それにしても真奈美ちゃん、ひよこにも化けれるんだな〜」 そう助け船のように、偶然だと思うが話掛けてきた悟浄に内心感謝する。 「一応本で様々な動物を見ましたから」 「へー!八戒みたいに物知りなのか?」 「どうでしょう。でも、ゲームとかは知りませんよ?」 「んじゃ、俺が手取り足取り教えてあげ「俺が教えてやるよ!」…このクソチビ猿!じゃますんな!」 「んだと!」 「…あの、見てれば覚えるんで大丈夫ですよ?」
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