「つまり、真奈美さんは元々故郷の劇団を支える役者だったけど事情により脱退。その数時間後気付いたら今の状況、と言うことですか?」
異世界などは信じてもらえないだろうから省いてあるけれど、嘘ではない。
…空から降ってきた所は自分でも訳がわからないし。

「そう言えば真奈美の能力ってなんだ?」
そう悟空が尋ねてきた。

どう説明しようか…そう考えていると
「三蔵一行今日こそ経文を渡せぇ!!!!!!!!」
妖怪達が前方からやって来るのが見えた。
「あの、説明するより見た方が早いと思うので一人でやらせてください」
そういうと私は妖怪たちに向かって走り出した。



人…いや、妖怪か。妖怪を殺すのは初めてだった。


…いや、そんなことはない。

人を殺したことはある。
自分を殺した。
回りの人間の良心を殺した。

…私は気づかぬ間にたくさんの人を殺していたんだ。
「私…生きてて良いのかな」
そう呟くとうつむきしゃがみこんだ。
ここで死んだ方が良いのかな…
自嘲的な考えに耽っていると妖怪達はこちらに気づいたらしく聞き取りづらい声と共に真奈美に襲い掛かってきた。

▼ヒト殺し

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