sideドフラミンゴ

真奈美の能力は使える。
海を操る力があれば海賊王になるのもたやすいだろう。
気付けばいつもの笑い声が絶えない。

仕事の書類にサインを入れていればドアが開いて真奈美が入ってきた。
「練習しよう!」
輝かしいくらいの笑みでそう言われ何故だか不快に感じた。
真奈美が海だからか?
そう思って不快に感じたことは気にとめなかった。
「一人で頑張れ」
そう言って真奈美を部屋から出した。

窓の外に目をやれば早速練習しているらしく透明なフラミンゴがいた。

「…………さて」
どうやって俺に依存させるか。
手に入れた宝は誰にも渡さねえ。
真奈美が俺から逃げれねぇようにするにはどうするか、そう考えていた。
真奈美は正直掴みにくい存在だ。
ただ言えるのは何かしらのトラウマがあるっつうことだ。
俺は真奈美が練習している間に部屋に入った。

部屋の中は殺風景で武器や服など以外あまり無かった。
引き出しを開けるといつかの万華鏡という奴と手帳があった。
手帳を手に取り中身を読んでいく。
それはかなり小さい時から書かれているようだった。
ルフィ、エース、サボ会いたい。
お義父さんが万華鏡を買ってくれた。
初めて料理した。麻婆豆腐作った。
沢山のトリップした時の話が書かれていた。
「………………」
お義父さんが私をかばって死んだ。
お義父さんの部下がボスになり追われている。
仲間を殺したくない。
寂しいよ…
最後の方はそう綴られていた。

見ぃつけた。真奈美のトラウマ…

元の場所に戻して部屋をあとにする。
ちらりと見えた窓の外には大きさの異なるフラミンゴが三羽いた。

数日が経ち真奈美が来た。
手には透明な銃。
真奈美は自慢げに力説していたが水を差すような返事をした。
真奈美は気付いていないようだったが顔が明らかにしょんぼりしていた。
真奈美が出て行った後の部屋で仕事に取りかかる。
「…取引先は冬島か」
真奈美は雪を見たことあんのだろうか。
…連れて行ってやるか。
そう考え船を向かわせた。

sideハート

「このルーキーすごい!」
新聞を読んでいたシャチが大声をあげていた。
「シャチ何の話だ?」
とりあえず聞いとくかなんて思いながらシャチに尋ねた。
「ペンギン!これこれ!朱眼の悪魔!6億になってんだ」
は?
一瞬時が止まった気がした。数週間前に2億くらいになったような…
「すごいよな」
シャチは感嘆の声を漏らしていた。
「…ほお。」
「あ…船長」
船長の声を聞いたとたんに青ざめるシャチに内心笑う。
「俺よりか?」
「え、と…」
「room」
「ぎゃああああ!」
シャチ…ご愁傷様。
文字通りバラされて生首となったシャチに手を合わせ船長の後をついて行った。

「でも、6億か…」
船長室に戻ってきてから一人言をブツブツ言う船長に俺は首を傾げる。
「船長?」
ほしいな
そう確かに船長の口から発せられた。
「は?」
「欲しい」
「えと…」
朱眼の悪魔の事だろうか
「奪うか」
ニヤリと笑った顔は『死の外科医』の名に相応しい顔で慣れはしたが未だに怖いと思える。
「…船長笑えない嘘はやめましょう」
そう言うと俺は本気だと言っているような顔をされた。
「どの船の奴か調べろ」
船長に逆らえる訳もなくその命令に呆れながらもしっかりと返事をして船長室を後にした。

朱眼屋か…
手配書を眺める。
朱い目の綺麗な女が6億か…世も末だな。
そう考えながらペンギンの報告を待つことにした。
と、電電虫が鳴った。
見ればとある奴の電電虫でため息がちに電電虫に手をかけた。
「ドフラミンゴ…何のようだ」
嫌そうな声に自分でも若干驚いた。
あちらは独特の笑い声を零しながら要件を伝えてきた。
『今いる冬島、まだいろ』
そう言って一方的に切られた。
…なんで知ってんだ。
ログはまだ溜まらねえから居るのには違いないが、知られていたことに嫌気がする。

ペンギンが急いで調べた結果
朱眼屋はドフラミンゴの船にいるらしい。
ただおかしな点もあった。
賞金首になるまでの記録が無いってことだ。
まあいい、ドフラミンゴに聞いてみりゃあ済む話だ。
ペンギンもそれには不思議に思ったらしかった。


sideドフラミンゴ

俺はとっとと仕事を終わらせアイツと話すためにスタスタと船を後にした。

仕事が終わり店を出れば目の前にはアイツ。
「久しぶりだなロー」
「…………ああ」
部下に居たときからの目の下の隈は健在…寧ろ酷くなっていた。
会ったとたんにローは口を開いた。
「あ゛?真奈美だ〜?」
どうやらこいつは真奈美に興味があるらしい。
何故だかいやな感じがした…


適当に女を抱いて帰ると男の気配がした。
真奈美の部屋の前を通ると
「お前、大丈夫か?」
「っ…?!」
トラファルガーの声と泣いている音。
覗くと真奈美が抱きつき泣いていた。
俺にすら見せたことの無い姿に真奈美に対して苛立ちを抱く。
なんでローなんだ。
なんで俺じゃねぇんだ。
すぐにその場を離れ自室に戻る。
イライラする…
俺は再び船を降りて女を買いにいった。



▼第八・九話番外編

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