向かった先は音のした場所。
海賊たちが居たのはあの武器屋だった。

「おい、銃弾が無いってどういうことだ!」
「すみません!売り切れまして…」
「ふざけるな!」
あの店員は今にも殺されそうだった。

「ねえ…おっさん共」
「あ゛ぁ゛?」
声をかけるとにやついた顔でこちらを見てくる。
「じょうちゃん綺麗だな」
気持ち悪っ!
思わず顔をしかめたが気付いていないらしく、なれなれしくし始めた。

しばらくして
「銃弾買い占めた奴絶対殺す」
そう言ってきたから私は
「私を?」
そう言って銃弾を見せびらかせ、仲間らしき人を撃ち殺す。
途端にそいつは襲いかかってきた。

「このクソアマ!」
先ほどと違い暴言を吐かれる。
でも先ほどの『じょうちゃん』よりましか…
私は勿体無い気がして銃はしまった。
こんなのにやる弾は無い。
「剣借りるね」
店員にそう言って私は適当に剣を一つとる。
「お姉さん!それ一番悪い刀ですよ!」
そう店員は言ってくる。
「知ってる。ハンデよハンデ」
店員はきょとんとして私を見る。
「クッキーどうぞ」
「ありがとう」
なぜか知らないがクッキーを貰い
私は海賊の群れに入っていった。

ザコすぎるだろ!
数分で片付いた海賊に逆に驚く。
「すごいですね」
店員は拍手しながら近付いてくる。
「助けてもらってあれなんですが…
捕まってください」
途端に視界が歪む。
「な…なに、」
「やっと効いてくれた。薬を盛らせていただきました。」
クッキーか…

視界が闇に包まれた。


目を覚ますと運ばれている最中のようだった。
振動がかなりある。
…トリップ先より弱い薬だったな。
そう考えながら目だけ動かしてあたりを見る。
木箱か…どうりで狭い
私は冷静に紐をほどきにかかる。
…ちっ
手はほどけた物の木箱が狭く足の紐が届かない。
すると目的地に着いたのであろう、振動がやんだ。
「よっと…」
そう聞こえたかと思うと上のふたが徐々にあく。
一か八か、私はそいつの襟首を持ち投げた。
箱から上半身を起こすと数人の人が走ってきた。
足の紐を瞬時に取り向かってきた奴に箱を投げる。
「うおっ!」
一人だけよけて逃げていく。
「…遊びたいけどやめとくかな?」
取り残された私は周りに転がる人を木箱が乗っていた馬車に詰め込み待機。

「…わお」
先ほどの逃げた奴が仲間を引き連れてやってきた。
人数がかなりいる。
流石に驚いた。
とりあえず面倒くさい気がして先ほどの人と木箱を投げつける。
「え!うわっ」
仲間だからなのか攻撃をしない海賊達。
「うむ…10はへったかな?」
襲いかかってきた海賊達に私は近くにあった鉄の棒を手にとり応戦する。
しばらくすると周りは血の海となり流石に海賊達は近付いてこなくなった。
「残り半分…」
棒を置いて海から出る。
この量なら簡単だ…
そう思った直後、銃を向けてきた。
…ベンチー?(…本気?)
流石に卑怯だろ
頬が引きつる
私は再び鉄の棒を掴む。
「それでよける気か?」
笑い声とともに聞こえる言葉に頷く。
「バカが。撃てっ!」

バババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババ
一斉に撃たれた銃弾をすべてはじき落としていく。
「はい。無傷!」
にこりと笑ってやった。
「え」
「んっ?!」
「はっ!?」
するとみんな固まる。
そんなに驚くことだった?
「真奈美…」
…なるほど。この人の能力でか。
「ドフラミンゴ…来たんだ?」
次の瞬間海賊達が裂けた。
…わお
「真奈美…俺にいうことは?」
「すみませんでした」
ご立腹のドフラミンゴは私を担いで歩いてく。


「ドフラミンゴ…」
「………」
「ドフラミンゴ」
「………」
話しかけても無言。
それが怒っているのを表しているようでとてつもなく怖い。
船につくとドフラミンゴは部屋に向かっていく。
ベッドに投げ飛ばされて頭をぶつけた。
「真奈美、船からでんなよ?」
すごみのある声で私はもげそうなくらい頷く。
怖い…初めてそう思った


翌日、私は昨日買って貰った物の整理をした。
船は静かでなんだか悲しくなった。
「ごめんなさい…」
そう呟いてベッドにダイブした。

「………い…」
体を揺すられる感覚とボソボソ聞こえる言葉に目が覚めた。
「……ドフラ、ミンゴごめんなさい…」
目の前にいたドフラミンゴにそう告げれば目頭が熱くなってきた。
ドフラミンゴは頭をなでて抱きしめてきた。
「真奈美心配させんじゃねえ。分かったか」
ぶっきらぼうな言葉だけど暖かい何かを感じて私は何度も頷いた。

▼ごめんなさい

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