ドゴンッ

「すげえ音だな」
音がした方を見に行くとそこには全壊した船の破片の山の上で座っている女がいた。
山の周りには血まみれの死体がゴロゴロと転がっている。
…ありゃあ海軍の船じゃねえか。
女は俺に気づいてないらしくゆっくりと立ち上がり大きな伸びをする。
あれが朱眼の悪魔か…

半年前、急に姿を現していきなり1億2000万ベリーのルーキーとなった“能力者”じゃねえ普通の女。
そいつが目の前にいる。
実際に見ると整った顔で若干驚いた。

「朱眼の悪魔だよな」
「誰…海賊?」
気付いていなかったらしく驚いた顔をしたが直ぐに睨んできた。
…俺のこと知らねえってことは海軍も知らなそうだな。
「ああ。俺はドフラミンゴつうんだ。お前、気に入った。俺のとこくるか?」
ニヤニヤしながら話しかけた。
まあ、断ろうが連れて行くがな。
相手は再び驚いているような顔をしたが
「あなたが私を養ってくれるの?」
信じたらしく女は顔の表情を緩めた。
「これからよろしくね。」
「ああ。…そういやぁ名前なんだ?」
手配書に名前が無かった。
勿論そんな事は今までない、異例の事だった。
「私は…」
そこまで言うと女はいきなり倒れた。
「はあっ?!」
…取りあえず連れてくか。
戦っていたのにも関わらず血すら付いていない女を担ぎ、そこらにあった荷物を持って船に戻る。

戻る途中に大きな腹の音が担いでいる奴から聞こえて驚いた。
「おいおい倒れたのって空腹でかよ…」
一人呟くと返事のように腹の音がなる。
「フッフッフッ…」
いいもん拾ったな


目を覚ますと綺麗な天井が広がっている。
「…………どこ?」
記憶をたどっていく。
「あ、起きましたか?これどうぞ」
「あ、ありがとうございます…」
知らない人が入ってきてサンドイッチを渡してくれた。
私はそれを頬張っておかわりをするか考える。
……………………………………………………………って誰だし!?
え…まさか誘拐?!でもご飯くれたし…てか本当誰?!
若干混乱してきた。
えーと…確か………
「やっと起きたか。嬢ちゃん」
ピンク色のモフモフを着たでかい人が現れた…
「あっ!さっきの…」
ってことはこの人の船?
でも船にしたらでかいな…でも体格があれだからちょうどいいのかな?
「あの、ここって…」
そう聞けば考えた通りの返事が返ってくる。

それにしても…
「……日本は本当に似た所だな」
海も人も似てる…
そう呟けば変な顔をされる。
「日本ってどこだそりゃあ」
…………なんだって?!
じゃあ韓国?それとも朝鮮?でも待てよ…言葉は日本語だぞ?ならどこだここは…それとも中国語に数年で慣れすぎて分かんなくなった?!
「ここって何処ですか?」

「どこってグランドラインだろ?」
……グランドライン
愚嵐銅鑼陰?
いやいやんなわけない
グランドラインって…
あのグランドライン?!
ってことは……
「やったぁぁぁああっ!
戻ってこれてたんだー!!
どうりで似てると…そうだ、思い出した!
ベリーって前の世界のお金だ!」
若干興奮気味に叫んだら
ピンク色のモフモフさんは驚いた顔をした。
というか驚くのが普通か
「いきなりどうしたんだ?嬢ちゃん」
「私、元の世界に戻ってこれたんです!」
笑顔で飛んだりはねたりする
「…どういう意味だそりゃあ」
ピンク色のモフモフさんは変な顔している。
今、私かなりピンク色のモフモフさんに不振人物扱いされてない?
「私、違う世界に数年前に飛ばされたんです!
でも半年前に戻ってこれたみたいで!…そっか、元に戻れたんだ…ルフィ達に会える!」
嬉しくて頬を赤くしてはにかむ。
ルフィ、元気に海賊してるのかな?
「誰だそりゃあ?」
ピンク色のモフモフさんはだずねてくる。
「家族です!ルフィは私の、弟で多分海賊になってるはずです!」

…そういえばピンク色のモフモフさんって名前確かフラミンゴさんだっけ?
鳥が名前とかネーミングセンスが変わった両親だったんだなきっと…
………両親か
両親の事を考えたら少し気分が落ち込んでしまった。
「へぇ…ルフィね」
フラミンゴさんはそう呟き暫く沈黙が続く。
ルフィ…会いたいな…
覚えてるかな?
もしかしたら…血がつながってないし忘れちゃったかな…?

「…あの、フラミンゴさん」
「違えドフラミンゴだ」
ちょっと嫌そうな声で訂正される。ドフラミンゴさんね…よし、覚えた。
「ドフラミンゴさん…私って」
仲間になったんですよね?そう続けようとしたが遮られる
「名前なんだ?」
名前…あ、あの時は言う前に倒れて……
「真奈美…です。あ!あの、さっきはごめんなさい!」
そう伝えてふと荷物が見あたらないことに気づく。
あれ…荷物ってどこに…
というかここ何の部屋?
「私の荷物って知ってますか…?」
そう言うとドフラミンゴさんは立ち上がって出て行く。
……持ってきてくれるとか?
するとついてこいと呼ばれた


長い廊下を歩いていくと一つの部屋につく。
「今日からおまえの部屋だ」
そう言うとドフラミンゴさんは来た道を戻っていく。
…不思議な人だな
ちょっと怖そうな雰囲気だけどそうでもなさそう…
部屋ってことは仲間入りしたってことだよね?
ちょっと嬉しいな…

扉を開けると広々とした部屋に荷物があった。
トランクとカバンの数を確認してそろっていた。

服を着替えるため変装用の服を脱ぎ出しボストンバックからいつものチャイナ服を取り出す。
「やっぱこれじゃなきゃっ!」
鼻歌交じりにチャイナ服を着ようとする。
その刹那ドアが開いた。


さっきまでのルフィとかいう弟を調べてみたが手配書にはない。まだ一般人なのか?それともザコか?
それを伝えるため真奈美の部屋を開けると
下着姿で固まっている真奈美がいた。
…………結構胸あるな…


「いやああぁぁぁぁぁぁぁああああ!!」
見られた!!下着姿でいるんじゃなかった…
とっさに近くにあったベットに入り込む。
「…で、出て行ってもらえます?着替えたいので…」
そう伝えた…伝えたはずなんだけど…
ドフラミンゴさんはまだ室内にいた。
「真奈美…お前って良い体してんな」
……ドフラミンゴさん、セクハラって言葉…知ってますか?
私はとりあえずトランクに手を伸ばし中の煙幕を一つ投げた。


目の前が煙り視界が見えなくなる
まあ、攻撃って訳じゃなさそうだから放っておく

3分後視界が晴れると白い服を着ていた。
3分でよく着替えられたな…………ちっ…残念だぜ
ふと真奈美の着ている服を眺める。
確か七武海の一人も着てたな…
「その服なんか流行りなんか?」
不思議そうに首を傾げてくる。
「違うと思うけど…」
「まあ、ラインが見えていい感じのエロさがあるな…」
「セクハラで訴えても良いですか?ドフラミンゴさん…」
「……んな事よりルフィって奴賞金首じゃなかったぞ?」



…なんですと?
あ、でもおじいちゃんが止めたりしたからまだ出てないのかも……
「ドフラミンゴさん、調べてくれてありがとうございます。」
とりあえず礼儀正しくお礼を言った。

………てか、話しそらさなかったか?

▼戻ってこれた!

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