「音が鳴ると動く女の子

音が止まると止まる女の子

周りはみんな動いてる
音が鳴らないと動けない女の子は

忘れられたら
ずっと止まったまま

きらきらしたところで忘れられたままずっとじっと止まってる

暗い暗い端っこで
誰かをずっと待っている」

「なんだその歌…」
ヘンテコリン
そう言われて若干へこむ。

「…私が作った曲」
そういえば後ろにいる人が申し訳無さそうにため息をつく。

「……その、悪かった」
ちらりと後ろを見れば困ったとはっきり分かるくらい渋い顔をしていて笑いかけそうになる。

「ねえ…私ってなんで船に乗ってんだろ…」
そう呟けば後ろから抱きしめられる。

背中から温かさが伝わり心地よい。

「私…さっきの歌みたいになるんだろうな…」

いや…もっとひどいかも知れない。

「そんなわけねぇだろ?」
「…私の体分かって言ってるの?」
抱きしめられている体をよじり正面を向く。

そうすればばつの悪そうな顔をされる。

「………ほらね。また、その顔する…」

私の体は半分…いや、ほとんどない。

「悪かった」
そうぼそりと呟かれる

「………………ねえ、キッド…」

なんだ?そうきかれて私は微笑む。
「ねえ、キッド…私を殺して?」
どうせ長くは生きられない。それなら、あなたに殺されたい。

「……真奈美「拒否はダメだからね」…………」
さあ、早く殺して?

手足のない片目も失い自力でなにもできなくなった私を殺して?

「キッド…私ね怖いの…こんな体になっちゃったから…周りがいなくなれば私…生きていられないから…だから好きな人に殺されたいの…」
こういう時、綺麗に泣くことすら許されない体…
もう…いや………

「真奈美…俺はいなくならねぇから」
「……キッド…だめだよ?海賊王になるんでしょ?私は足手まといだよ?」
そう伝えればキッドは悲しそうな顔をする
そんな顔…見たくないよ



「キッド殺して?」
私は笑った。

▼オルゴールの女の子

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