私は上野国から遥々京都まで奉公のために来た!
しかし…
『迷った…』
京都に着いて店の旦那が
「二町先の屋敷にこれを届けてくれ」
と言って、初の仕事で私は少しウキウキしていたらまさかの迷子…

『どうしよう…ツイてないなぁ…』
取り敢えずうろうろしてると
刀が首もとにあった
『ひっ…!?』
「お前、何者だ」
後ろから声が聞こえた
多分刀を私に向けている人だ(それ以外ならまずおかしいよね!?)
『……道に…迷っ、て…』「本当にか」
怖い…だれか助けて!

「土方さんその子怖がってるよ?刀どかしてあげなよ」
少しおどけたような声が聞こえた
『……たす、け、下さ、い…』
私は半泣き状態で助けを求めた
「おい、なくな。これだから女は」
『女だからって何かいけないんですか?!』
今の言葉は聞き捨てならない!
『そんな偏見やめて下さい!』

「…君面白いね。今なら土方さんが君の首斬っちゃえるのに反抗して」
『…あ。』
首元に刀があるのを忘れてた…
急に血の気が引く
「気に入った
君さぁ、今死ぬのと僕と恋仲になるのどっちがいい?」
『…え?』
「僕と恋仲になってくれるなら土方さんに殺させない、断ったら…斬っちゃうよ?」
『こ、恋仲に、恋仲になりますっ!』
後ろを向いてる私には
二人の顔がまだ分からなかった

でも、死にたくない!
そんな一心で言った
すると後ろを向かされた

私が見たのは
格好いい浅葱色の羽織りを羽織った二人組だった

取り敢えず
落とした荷物は割れ物じゃないことを願います…


▼初めてのおつかい

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