みんな気にされない
先生すら気にしてない
すでに周りから見放されている問題児の私は今日も授業をさぼって図書室の端でいつも通り昼寝をしていた。


『お前のこと俺はいつも見てるから、だから…』
しばらく寝ていたら声が聞こえた。誰だろ…?

そっと目を開けると目の前には
「た、高杉?!何でいんの?!今授業だよ?!」
「真奈美、俺が授業にでたことあるか?」
「…ない、か…な?」
同じサボリの高杉がいた。
高杉は私の座っている椅子の隣にある本棚に腰を下ろす。…座るだけでもカッコいいのが凄いと思う。というよりは憎たらしい。
しばらくぼーっと眺めていた。
「真奈美、見過ぎだ。惚れたか?」
「そんな訳ないよ」
笑いながらそう言うとニヤリと笑って私の髪を撫でた。
ふわりと風がカーテンをたなびかせる。今日も風が気持ち良いな…暑いけど…

「好きだ。」
…え。
頭が真っ白になった。




「なんで、こんな暑い日に私だけ補習なの?!」
私は団扇で扇ぎながら呟いた
「お前、毎回授業に出てないのに補習無いとか学校にくる意味ねぇじゃねえか」
目の前にいるのは銀八先生。全然先生らしくない、こんな人に補習はちょっと心配…
「てか扇風機ずるい!それに…高杉だってそうじゃん!」
会いたくはない…けどなんか私だけなのがイヤだからそう抗議すれば
「あいつはおまえと違ってたまにはでてんぞ」
そうかえされた…クソ!

私は一人を占領して使っている扇風機を取ろうと先生を引っ張った。
「えっっっっっ!?」
引っ張った拍子に後ろに横転。怖くて目をつぶった
「いったぁ…」
頭を少し打ってさすりながら体を起こした。
チュッ
不意に唇に柔らかい感触と少し高めのリップ音が聞こえた。
そっと目を開くと…
先生が私を押し倒したような格好で目の前数ミリの所にいた
「真奈美、お前のこと生徒以上に思ってる…好きだ」
私は殴ってその場から逃げ出した。





うーん…
「どうしよ…」
私は一人いつもとは違うさぼり場所で悩んでいた。
昨日二人に告白されて返事をまだしてないし、いつもの場所だと高杉と会う可能性があるからだった。

高杉は好きな方だ。
けれど
…昨日の銀八先生の真面目な顔が脳裏から焼き付いて離れない。

一人、ぶつぶつと考えていた。
トンッ
「きゃあっっっ?!」
「わりっ。」
振り向くといつものさぼり仲間(さぼり仲間と言っても休み時間しか来ない)
土方がいた。
土方といるとなんだか落ち着く。私はすがるように昨日の事を話した。

「…お前はどうしたいんだ」
沈黙が少し長いように思った。
私は無言。
「お前はどっちが好きなんだ?」
分かんない、そっと呟いたのが聞こえたのか黙ってしまった。
しばらくしてから
「俺はお前のこと好きだ。だからこそ言いたい。」
好きだ、なんてさらりと言う土方に驚いた。
「お前の心が高鳴る方がお前が本当に好きな奴だ。うわべならいくらでも言う事ができるんだ。」
そう言って土方はその場を立ち去った。




高杉…ツキン
銀八先生…ツキン
…同じ心音、か…
私は土方がいった後に試してみた。
けれど、変わらない心音

ふと下を見ると携帯が落ちていた。
土方らしくストラップがマヨネーズだった。
思わず吹き出す。
いないからいいよ、ね?
こっそり携帯を開くと
メール画面になっていた。宛先は私だった。




俺は真奈美が好きだ。
振られるのは覚悟してる。高杉が好きなんだろ?。
だから俺は惚れた弱みで応援してやりたい。




それは送られることのなくなったラブレター…
それを読んだ時涙がこぼれてきた。
「土方…」
呟きと共にトクンと心音が大きくなった。
…私は、あの二人よりも、土方が好き。

勘違いしている人の携帯を握りしめてこぼした涙を拭ってその場から走っていった。
場所は土方のいるZ組。

「土方!」
荒い呼吸を直しつつ土方に叫ぶ。
本当の心からの好きを伝えるために…
「私は、土方が…」



銀女誕生日おめでとう
グダグダになっちゃった…〓ごめん!

▼君が好き

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