──ハートの辞書──
付き合っていた彼女が言っていた一種のおまじない
それの色で効果が違うとか何とか…
詳しくは覚えてねぇ




『ねぇねぇ、静雄。
ハートの辞書って知ってる?』
「なんだよそれ…?」
『結構前に流行ってたおまじないだよ。でさ、もたない?』
「何でだよ。そんなん迷信だろ」
『…そうだけどさ…』
「ならいいじゃねえか、迷信に信じなくても平気だろっ///」
『……そうだね///』
そんなたわいもない話を俺たちはした

結局俺たちはお揃いで
青のハートの辞書を待ち受けにした。
青は長続きする恋だそうだ

それからしばらくたったとき、あいつは黒を持とう?なんて言ってきた
けど、
意味は教えてくれなかった





その一週間後
あいつは自殺した。
遺書は家族しか見ていない。





「なあ…ハートの辞書の色の効果知ってるか?」
俺は知り合いとなった高校生三人に聞いた。
「知りません…すみません」
「名前ぐらいなら」
「知ってますよ。」
きだとかいうのが知っていた
「黒はどんな効果だ?」
ピシッそんな効果音がついてもおかしくないくらい顔がひきつっていた。
「…どうしたんだ?」
「……誰かに貰ったりしたんですか?」
「死んだ彼女に…」
「……その、黒は…」






聞かなきゃよかった…
『黒は…縁切り、です』
聞いたとき落ち込んだ。

そんなに死ぬほど俺が嫌いだったか?
俺がしねばよかったか?
ぐるぐると渦を巻いて負の考えが溢れ出てくる。

「俺はどうしてやればよかったんだ?誰か答えてくれよ!」
荒げた声に答える者は誰もいなかった…


(せめて)
(せめて遺書でも)
(見たかった…)

▼ハートの辞書

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