「...よく生きてたわね。」
あかねの一言に他の人達も頷く。
現在二人を掘り返している所だ。
「それにしても凄い怒ってたな。」
「...多分髪の毛の事もだけど他にもあったと思うよ?」
その一言に女子生徒に視線が集まる。
「真奈美くん、私が転んで助けてもらった時に『周りを巻き込んでんじゃあんなん決闘じゃねぇよ...』ってボソッと呟いてて。」
「確かにそこのバンダナくんがバンダナ投げた時もあかねちゃん守ってる感じによけてたけど後ろに一個も飛んでこなかったもん。」「見てたんだけどよ、あいつバンダナ食らってたぞ?」
その一言にみんなの視線が男子に集まる。
「一個も飛んでこなかったんじゃなくて全部あいつが受け止めてたんだよ。」
その言葉にらんまも良牙もあかねも驚く。
そして
「あいつが俺も持って逃げた時、周りを考えろって怒られた。」
そうらんまが呟くと
「水飲み場も他に濡れないようにすぐに応急処置したのも真奈美だったよな?」
そう良牙がいうと沈黙が続く。
「よし!探しに行く??」
そう言ってらんまと良牙は無理矢理地面から出ると別々の方向に走り出したのだった。

私は学校から出るとすぐに走り出すと良牙くんと会った公園のトイレにいた。
「幸いにも根元からざっくりじゃなくてよかった。」
そう呟くと私はハサミで形を整える。
男なら髪の毛の一つや二つ...確かに今は男だ。
けど...気を集中して水をお湯に変えるとそれを被る。
そこには短い髪となった女の、本来の姿の私がいた。
...せめて髪の毛だけは女らしくって思ったのにな。
「あれだけ伸ばすのにどんだけ時間がかかったと思って...」
そう言うと目から涙が零れていく。
思わず驚いていると
「だ、大丈夫か?」
良牙くんが後ろから声をかけてきた。
思わず振り向くと顔を赤くするがすぐに泣いていることに気づいて慌てる。
「ど、どうしたんだ?」
その言葉に私は良牙くんに抱きつくと声をあげて泣いた。

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