「ありがとうございました。」
「あ、乱馬くん、ちょっと。」
東風先生に呼び止められ乱馬は近づく。
「先行ってるな。」
そう行ってあかねちゃんと二人で歩き出す。
無言が辛くて何か話そうと口を開いた。
「あかねちゃんって東風先生のこと好きだろ?あ、いや、ごめん。女の子に聞いちゃいけないことだった。」
思わずすぐ様撤回するとあかねちゃんは少し顔を赤くして否定をする。
「それに東風先生は...」
そう言った顔がひどく辛そうでごめん、と一言謝るとまた無言に戻った。

しばらくすると乱馬が戻ってきた。
「…なに話してたの?」
「別に。」
その乱馬の素っ気なさにまた無言になる。
「そうそう、あかねは、手のつけられねーはねっ返りだから大変だろーって同情されちった。」
「おい。」
思わず乱馬を睨む。
「(来るかっ!)」
「そ…か。」
一方のあかねちゃんは傷ついたように下を向き歩き出す。
「うそだよっと。」
乱馬はあかねちゃんのリボンを引っ張りそう言う。
「いっちょまえに傷ついてやんの。ばーか。」
「…何よ、ガキ。」
あーあ、ケンカ始めちゃったよ。
その様子を伺いながら少し先を歩く。
「ケンカ売ってんの?」
「そーそー、そうやって鼻息荒くしてんのが似合ってんぜ。」
「なによっ!」
「おっと。」
あかねちゃんのかばん攻撃?をすっと避ける乱馬。
あかねちゃんと乱馬は走りながらケンカしている。
本当あの二人、仲が悪いっていいながら息ぴったりじゃん。
仲がいいのやら悪いのやら…
「ま、喧嘩するほど仲がいいって言うしな。」
私はフッと微笑んだ。
そうしてその後私は二人の小さくなっていく背中を見ながら天道家へと足を進めたのだった。

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