「あんたたちは、真奈美くんを病院に連れてってあげなさい。あたしは、九能ちゃんを保健室に引っ張ってくから。」
そう言ってなびきはずるずると九能を引っ張っていった。
「あかね、真奈美を東風先生のとこまで運ぶぞ。」
俺はあかねに声をかけるがあかねは呆けている。
「…あたしのせいだ。あたしを守るために真奈美は…!」
「バカ!そんなこと言ってる場合じゃねえだろ!?今はこいつを病院に連れてくほうが先だ!」
そして、真奈美を担ぐと
「それに、おめーのせいじゃねーよ…。原因は俺だ。」
とつぶやいた。
「…乱馬、ありがと。」
「ほら、さっさと行くぞ。」
乱馬とあかねは病院へと走った。

「東風先生、患者ですっ!!」
あかねと乱馬は小乃接骨院につき急いで真奈美を運ぶ。
「そこのベッドに寝かせて。」
東風先生はカーテンを閉めて診察を始める。
「うーん。外傷は、ここの傷が酷いかな。しばらく、安静にしないといけないよ。」
「それで、大丈夫なんですか??真奈美は??」
あかねが中に向かって叫ぶ。
「うん。その傷だけ深くて血が出てるけど塞がれば大丈夫だから。とりあえず一週間くらい安静にしてたら早く良くなるよ。」
「…よかった…。」
乱馬とあかねは安堵する。
「あかねちゃんを守ったんだっけ?」
治療が済むと東風先生はカーテンで仕切られた小部屋からそう言いながら出てきた。
「はい...」
「なら、真奈美くんに感謝しないとだね。きっとあかねちゃんに当たってたら傷跡が残ってただろうし、もっと酷かっただろうから。」
その言葉に乱馬もあかねも俯いたのだった。

それから数時間。
「ん…ここ、何処だ…?」
見慣れぬ場所だったため辺りを見回す。
あ、東風先生の所か。カーテンを開けると
「真奈美!」
「気がついたの?」
二人が慌てて駆け寄ってくる。
そして
ギュ
「えっ?あかねちゃんどうしたんだ?」
あかねちゃんに抱きしめられていた。
「真奈美、私のせいで傷跡が!」
その言葉に首を傾げる。
「傷跡くらい大丈夫だから。あかねちゃんに怪我がなければそれでいい。気にしないで。」
そう言って頭を撫でる。
「乱馬は、大丈夫なのか?」
確か木刀の傷が、と思い出して乱馬に尋ねるとあかねちゃんにやられて身体がおかしな格好になっていないことに気づく。
あ、地味に変えちゃったか...まあ、あかねちゃん守るためだったし、仕方ないか。
「九能先輩に、打撃受けてただろ?」
「ああ、これくらい…」
「一応、診ておこうか。」
大丈夫、と乱馬は言おうとしたが東風先生によってさえぎられた。
「うーん。まあ、木刀だからね、そこまで打撃はなかったみたいだ。」
ゴキ、と言う音を立てて乱馬の体を直していく。
「君、居候の乱馬くんだろ?真奈美くんもだったよね?」
東風先生の言葉に頷く。
「乱馬くん、あかねちゃんと許婚なんだってね。」
「それは、親同士が勝手に決めたことで!」
「まあ、2人とも、早いよね。2人とも子供だし。」
ゴキ
「あたしは…(どーせ、子供よ。)」
「痛えじゃねえかっ!!」
「えっ?おかしいな、まだどこか痛い?」
「え…、なおった。」
そんなやり取りにあかねちゃんが説明する。
「東風先生は名医なの!」
そして私と乱馬の治療も終わり、帰ることになった。

▼17

| top |

第4回BLove小説・漫画コンテスト応募作品募集中!
テーマ「推しとの恋」
- ナノ -