「貴様!さっきはよくも!」
「そっちが俺と乱馬を間違えたからだ!」
「うむ、それはすまない。しかしにっくき早乙女乱馬を討ちに来たのだ!君に構う暇はない!」
「ほー。」
「で、早乙女乱馬は何処だ。」
「いや、知らないので。こっちも探していたんで。」
「そうか。なら一緒に探すか。」
「結構です。」
そう言ってその場から走ると九能先輩は追ってくる。
いや、来なくていいから??
スピードを上げて走ると目の前に壁。
思わず壁に足をかけて登り始める。
パルクールやっといてよかった〜。
と、らんまがまだ戻っておらず思わず壁を蹴ってそちらに飛ぶ。
多分九能先輩追ってくるよね...。
「ちょ、何で男に戻ってないんだよっ!」
「し、しかたねーだろー。この体制でどうせいって言うんだ!」
あれ?あかねちゃんは?
「天道あかね〜!!交際しろ〜!」
「げっ。九能先輩…。」
思わず走ってあかねちゃんを抱き上げて間を取る。
「ん?君は。先ほどの…」
九能は、私達の上にいるらんまに気づいたようだ。
「君はおさげ髪の妙な男を見かけなかったか?」
そう問いかけるがらんまはふるふると首を横に振る。
「あの、卑怯者め、勝負なかばで逃げおって!」
その言葉に、らんまが反応する。
「僕の腕に臆したに違いない。あんな腰抜け男じゃない、男じゃない、男じゃない!」
その言葉に、ムカッときたらんま。
「…好き放題、言いやがって。」
そう、静かにつぶやく。
俺はその様子を眺めながららんまが落としたヤカンに水を汲んでくる。
それを少し離れたところで気を集中させて熱すると熱湯が出来た。
かなり熱いからある程度冷めてから渡そう。
しばらくすると九能先輩はらんまの一撃を喰らい倒れた。
「さー、帰ろ帰ろ。」
そう言うとらんまにお湯を渡すとあかねちゃんと教室に急いで戻る。
時計を見たら授業はもう始まっていた。
仕方ない、私はあかねちゃんを抱き上げると片手で壁を登ってクラスにたどり着いた。
その登場にご老体の先生の入れ歯が飛び出たのは申し訳なかった。

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