―1年F組―
「…というわけで早乙女くんとはー。最近まで中国におったそうでー。真奈美くんは修行でここまで来たらしい。」
「まーそれはともかく、天道あかねともども遅刻であるので立っとれ。」
そう先生に言われバケツを持たされて乱馬、あかねちゃんは廊下に。
俺は席に着くと周りに人だかりが出来た。
特に女子が多くて驚く。
「かっこいいね〜!」
「あかねと乱馬くんと同じ家に住んでるんだよね〜!」
「彼女は?」
「髪綺麗だね!」
「なんで伸ばしてるの?」
色々質問されて驚いていると廊下が少し騒がしい。
バシャ
水の音が聞こえて席を立つと扉を開けて廊下に出る。
「早乙女乱馬、許さんぞ!」
…ちょうど九能先輩の登場です。
「な、な、何だよ。」
「九能先輩…。」
「お前とあかねくんの婚約、断じて認めん!」
九能先輩がいきなり、そう叫ぶ。
その声がうるさくてあかねちゃんの持っていたバケツをとって九能先輩にかけた。
「何をする??」
「声がうるさいです。」
教室から生徒が顔を出して叫びだす。
「なに〜、婚約だぁ!?」
「やだー、あかね、男嫌いだって言ってたくせに。真奈美くんじゃないんだ〜。」
いや、何故そこで私?
「とりあえず九能先輩は教室に戻りなさい。
みんなは授業の用意!二人も喧嘩しない!」
「母親か??」
「ち、違うのよ、違うのよ!」
「こっこれは、親が勝手に思い込んでる…」
あかねちゃんたちは動転してどもっている。
てか九能先輩のツッコミ初めて聞いたぞ?
ボケしかしたことないのに...よほどお母さんに似てるのか?
「婚約って言うより正確に言えば許婚だけどな。ま、同じようなもんか。」
私は誤解を解くように言うと
「おい、誤解を招くようなこと言うな。」
「そうよ!こんな奴と許婚なんて、ほんっきで、嫌なんだから!!」
「え、誤解を解くように言ったのに」
「「何処がっ!?」」
い、息ピッタリですね。
さすが、乱馬とあかねちゃんだな。
ズドッ
九能先輩が乱馬の持っていたバケツを切った。
慌てて乱馬は、水を避ける。
「ここじゃまともな勝負は出来ねえっ!ついて来い。」
乱馬は九能先輩に叫ぶ。
「よかろう!」
しゅたしゅたと九能先輩が乱馬の後を追い走る。
「おもしれー。」
「それじゃ、勝った方があかねと交際するのね!?」
生徒の間では、そんな声が上がってる。
「そーいや、それなら、あのもう1人の転校生はどうなんだ?」
「まさかの、三角関係っ??」
いや私はまるっきり部外者です。
「俺は違う!」
そう言うととりあえず乱馬を追いかけて走る。
「手っ取り早く、表に出ようぜ!」
「よおしっ!」
でも、飛び降りたのは、3階。
そして、下は...
「乱馬!下、プールっっ??」
「げ!」
「ばかっ!」
あかねちゃんも、乱馬を見て叫ぶ。
…こうしちゃいられない!
私もプールめがけて飛び降りると九能先輩の頭を踏みつける。
「プールに入った早乙女くん、一回り小さく見えなかった?」
「気のせいだろ。」
「その前に踏みつけてなかったか?」
「...気のせいだろ。」
プールを見ていた生徒がざわつき始める。
「らんまっ!!九能先輩はいいから早く行け!」
そう言って乱馬を急かすと木の方に飛んで行く。
踏みつけた九能先輩を担いで陸に上げようとすると目覚めたらしく抱きついてきた。
俺は思わず投げるとフェンスに顔面を強打させたらしくまた白目を向いていた。
すまん、九能先輩。
とりあえずらんまを探す。
「さっきはサンキュ。」
そう言うとあかねちゃんがお湯を持ってこっちに来ていた。
「早乙女乱馬はいずこ!?」
「…九能先輩だ!らんま、俺が時間稼いでる間に男に戻ってろ!」
そう言ってその場から走っていく。

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