「おい、あかね!ありゃ、何者だ?」
「骨接ぎの東風先生。名医なのよ。」
「あいつ、強えだろ。」
「えーっ、わかるぅ?」
「確かに乱馬は気配に気づいてなかったしな。」
「お前は気付いてたんかよ」
「勿論。疑うなら先生に聞いてみるといいぞ。」
そう言うと乱馬に小突かれた。
「そーなんだ、強いのよ。全然そんな風に見えないでしょ?
あたし、小さい頃から、怪我するとあそこのお世話になってたんだ。」
「…で、ありゃ男じゃねーのか?」
「……、そうよ!あたし、男なんて…」
あかねちゃんがそこまで言うと、学校からすごい人数の男達が出てくる。
その迫力に思わず顔の筋肉が引きつった。
「だいっ嫌い!!」
そうあかねちゃんは叫んだ。
あかねちゃんに掴みかかろうとする男達に
「どいて!遅刻しちゃう!」
と避けながら、言うあかねちゃん。
私はそれを見兼ねて助太刀する。
「大丈夫なのに。」
「大丈夫でも俺が嫌だ。」
そう言うと変な顔された。
「乱馬くーん、真奈美くーん、校舎にはいんなよ。」
なびきさんが校舎の中からあたしたちに叫ぶ。
「だって…」
「あかねなら、大丈夫だって。真奈美くんも助太刀大丈夫だよ。」
その言葉にムッとして顔を上げる。
「男がこんな事をするのが許せるか!俺のモラルとポリシーに反する!」
そう言うと笑われた。
「あー、もう!毎朝毎朝うっとうしいっ。」
あかねちゃんは少し息切れしながら、そう呟く。
私はラグビー部の男を投げ飛ばすと
「まったく、無粋な連中だな。」
この声は...
「みんなきみに勝ったあかつきには交際を申し込むらしいが…」
風林館高校1の変態、九能先輩!
「あ、九能先輩、おはようございます。」
あかねちゃんが呆れた目で九能先輩を見つめる。
「そこ、危ないですよ。」
そう言うとともにラグビー部の男が上から降ってきた。
それを九能先輩は避けると
「さて、天道あかねくん…お手合わせ、願おうか。」
あかねちゃんにバラを投げ竹刀を構える。
「おまえって、人気あるんだな。」
乱馬はブロック壁から飛び降りあかねちゃんのところに行く。
「人気というのか?」
「真奈美どいてたほうがいいわ。怪我するわよ!」
その言葉にむしろ立ちふさがる。
「そんなこと言われたら余計にどけないから。」
「…俺は?」
「あんたは、どーでもいいのっ!」
「とりあえず乱馬お前は男の癖に何見学してるんだよ。あかねちゃんが怪我したらどうするんだ。」
「で、どーなってんだ?」
乱馬があかねちゃんに近づき、聞く。
おい乱馬、無視か。
「どうって…。」
「こら、きさま!」
九能先輩が乱馬に向かって竹刀を向ける。
「何だよ。」
「あかねくんに対して慣れ慣れしいっ!そこの男も!」
「…どこをどう、見たらそうなるんだ?」
そう乱馬が言うが私はあかねちゃんと顔を見合わせると
「九能先輩、真奈美はとにかくコイツは誤解しないでくださいっ!!」
あかねちゃんが九能先輩に向かって叫ぶ。
「おい、なんでこいつはいーんだよ!」
「当たり前でしょ?」
「乱馬、男の嫉妬は見苦しいぞ。」
「きさま、いったい何者だ?そこの真奈美とかいう輩も。」
乱馬が何か言おうとすると
「いや、人に名を問う時は自分から名乗るのが礼儀だな。よし、僕から名乗ろう!」
と九能先輩は言った。
「…どーぞ。」
「…ぼくは、二年E組九能帯刀。剣道部主将。連戦連勝、高校剣道界期待の超新星。人呼んで、風林館高校の蒼い雷!」
素晴らしい滑舌だな。
「蒼い雷だって〜、知ってた?」
「初耳」
ああ、このくだり...なびきさん素敵です。
「俺は転校してきた一年の真奈美です。素晴らしい滑舌ですね。尊敬に値します。しかしあかねちゃんに竹刀を構えるのは如何なものかと思います。」
そう言うと続けて乱馬が
「えっと、俺は天道道場の居候でー…」
そう言う。
「何っ!きさま、あかねくんとひとつ屋根の下にっ!」
「無差別格闘早乙女流二代目…」
乱馬は、喋りながら空中を一回転し九能先輩の攻撃をかわす。
「ちょっと、かばん持ってて!」
と、急に乱馬があかねちゃんにかばんを投げる。
そして乱馬は、空中から地面に降り立ち、こう言った。
「早乙女乱馬!この勝負受けた!」
そして九能先輩に戦闘態勢に入り、構える。
「あかねくんにまとわりつく不逞の輩…。この九能帯刀が成敗してくれる!」
スっと竹刀を頭上に振り上げた九能先輩。
「誰がまとわりつくか、こんな奴!」
「そーよ!こいつは、単なる居候です!」
あかねちゃんと乱馬が言い訳をする。
俺は?なんて考えたが時計を見ればそろそろ遅刻になるところで気付かれないうちに校舎に入る。
漫画だとこの後雨降るしまあ、いいや。
職員室に辿り着くと先生に挨拶する。
「もう一人は九能先輩に絡まれてて恐らくあかねちゃんと遅刻です。」
そう言うとため息を先生がついた。

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