男溺泉の中に財布と手紙、服、食べ物、生活用品、地図それから寝袋とテントがあった。
とりあえずサバイバルは警察学校時代に経験したから大丈夫。
らんま1/2のおかげで色んな格闘技はできるから身も守れる。
そう考えると私は「生きていける」とだけ考えて山を下った。

一日かけて山を下ると小さな村があった。
山を降りる途中漫画の中に出てきた技ができるかチャレンジしたら簡単にできたので案外この世界に溶け込めるかもしれないと考えいた。
...ぶっちゃけ自己流にアレンジもできたからそう判断したというのもあるのだが。
とりあえず宿を探しながら辺りを見回しているが宿はないらしい。
私は...いや、今は俺は仕方なしにテントで寝るか、と村の外れの空き地にテントを張ったのだった。

そういえば手紙が二つあったな。
夕飯を食べながらふと思い出して荷物を漁る。
私宛の汚い字の方の手紙を開くとそこには《早乙女》の文字。
思わず目を丸くすると急いで本文を読んだ。

《真奈美殿
息子、早乙女乱馬の許嫁にするよーん
早乙女玄馬》
その簡単な文と共に二人の手形が押してある。
乱馬か...私、乱馬は嫌いなんだよな。
性格がどうも合わないんだよね...。
とりあえずこれは何かと役に立ちそうだからとっておこう。
私はそれをしまい込むともう一つの文字の綺麗な手紙を開く。

《真奈美へ
家を出て修行に行くと行っていましたが心配なので荷物の中に手紙を隠して入れておきました。今頃は何処かの道場で道場破りをした後でしょうか?私達の道場、そして住んでいた山を無くした様に獅子咆哮弾で他の道場も更地にしていないか心配です。
そういえば昔約束した許婚の話がありましたが特に気にしなくてもいいですよ。
あんなクソ野郎が...っと、私としたことがはしたない言葉を。
貴女の自由に婚約者は決めなさい。
許嫁の早乙女さんの息子さんが気に入れば息子さんでも別に他の人でもこちらは構いません。
この道場は貴女が継ぐ道場なのですから。
けど、もし何か困ったことがあれば許嫁の早乙女さんを頼りなさい。
貴女は世界最強の道場の跡取りなのですから大丈夫だとは思っていますがくれぐれも死なないように。
貴女の頭の中にある秘伝の技はくれぐれも忘れないか心配だからといって紙に書き留めないように。
それをしては代々引き継ぐ[図書館]の名が廃れますので。
母より》
手紙を読んで少し考え込んだ。
つまり私の知ってるらんま1/2の中の全ての技を私は使える、という事なのか?そう考えながら空を見上げる。
とりあえず元の世界の格闘技もこっちの秘伝の技とかも記憶の中にあるということか...
もしも話の流れを変えちゃったらどうなのかな?
技だけは覚えてるけどエピソードは忘れちゃうのかな...
気が重い...というよりも悲しい...
私はそう考えると重いと言えば、と荷物から離れて良牙くんの技をやろうとウキウキする。
けど、手紙の言葉があって実行出来ない。
山が更地ってかなり危なくない?
私は乱馬より良牙くんの方が好きだ。
あの酷すぎる方向音痴ぶりと優しく男前な所と純粋で少しアホな所がなんとも言えない。早く会いたいなぁ。
...って、気が軽くなっちゃった。
私は仕方なしに諦めるとテントの中に戻り就寝準備をした。

▼2

| top |

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -