「おい 今週はキャンペーン中か何かか?」
「これでもう3日連続ですねぇ」
「『三蔵様御一行襲撃ツアー』ってか
美人のコンパニオンが混じってねェかな」
「ツアーか〜どうせなら私、いい宿の宿泊希望ですね」
「ツアーときたらフルコース料理だろっ」
「ああ 成程 僕らがその「料理」になるワケですか」
「俺 食べるの専門」
「で ツアー客の総動員数は?」
「ペアで20組様御招待ってトコかな?」
「単純計算 ノルマは何人だ悟空?」
「えーっとえっと
ひとりあたま8人ッ??」
「ははっ 上出来ッ??」


「イェーイ ノルマ達成っ??」
「おつかれー」
「真奈美は速すぎだって!てか狡い!」
「だって私は「美食家」ですから美味しそうでないものは食べたくないので砂に変えちゃった?」
「おやおややっぱり「食べる専門」の方は体力がケタ外れです...ねっ??」
そういうと八戒は二人同時に仕留める。
「あ 申し遅れましたが僕「料理するの専門」なんですよね」
「...お前いちだんとイイ性格になったな」
「それにしても紅孩児のヤツ
ずい分と手ェ抜いてンじゃねぇの?」
「確かにな」
と、妖怪が起き上がったのが見えた。
「三蔵危ない??」
そう叫ぶと悟浄が経文に手をかけた妖怪の腕を切った。
「真奈美危ない??」
と、悟空が叫ぶ振り変えれば腕を掴まれた。
思わずそいつを一本背負いするとそいつを砂に変えた。
「おい貴様
意図的に経文を狙っただろう
何の為に 誰の命を受けた??」
「ヒッ 何も知らねえッ...??
オレ達はただ玄奘三蔵から経文と女を奪ってこいと命じられただけだ!」
その言葉に私もなのかとため息。
「わからないように男にでもなろうかしら?」
「断固拒否の方向で」
悟浄のその言葉に苦笑していると、銃声。
それにしても...厄介な敵だな、玉面公主にニイ健一もとい烏哭は。


「長安をたってから3か月ですか
まだまだ先は長そうですねぇ」
「ってことは私もここに来て3か月か〜もっと長い気がするのにな...」
あんなにたくさんのことがあったのに3か月しかたっていないという事実に少なからず驚いていると
「おい 三蔵 八戒 真奈美 見ろよ」
そう少し離れたところから声をかけられた。
そちらを見れば真っ赤な夕日。
見事な迫力に思わず食い入って見つめていると
「真奈美〜早く来いよ??置いていかれんぞ〜??」
悟空の叫び声。
見れば周りに誰もおらずスタスタと歩いていた。
「待ってよ!みんな速すぎですって??」
そう言うと小走りで四人の元にかけて行った。
「そんなに見とれるもんだったか?」
そう悟浄に言われて私は少し引きつりながら
「夕日が綺麗って思えたのが初めてだったんです」
そう言うと少し目を見開かれてそれから頭を撫でられた。
あっちの世界の景色はシロクロで綺麗なものなんて無かった。
先生の笑顔以外は...
私は小さく笑うともう一度夕日に目をやった。
先生、私生きてるよ?
先生は覚えているかな?
屋上での会話を...
『死にたいな...』
『なに言ってんのよ。生きなさい。』
『生きてる意味無いもん、私なんて』
『なら誰かのために生きなさい。そうね、私のため、とか?』
『何それ...でも、しょーがないから大好きな先生のために生きててあげるよ』
『生意気なガキね本当。』
『先生にだけだから特別だよ?』
『そう、なら私以外にそう素を出せる人が出来るといいわね』
『いるかな?そんな人』
『さあ?探せばいつか出てくるでしょ』
『投げあり過ぎ...ふふっ
先生、もしそんな人が出来たら先生に紹介するね』
『なんでよ...』
『先生に私は今幸せだよって言うために』
『...本当クソガキね』
先生、多分ね紹介できると思うんだ。
まだ、秘密を全部晒してないし会って3か月しか経ってない。
まだまだ不安定な感じだけどこれから先、先生に胸はって四人を紹介するから。
「だから、待っててね...」
「どうしたん?」
「いや、なんでもないです」
私は悟浄に笑いかけると結構先を歩く三蔵と八戒目指して走っていった。






▼夕日

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