「おや お仲間がいらした様ですね」
清一色がそう呟くとしばらくして悟空達が現れた。

「三蔵??三蔵ッ??って真奈美?」
「どーなってンだよコレ...??」
悟空の叫びにも似た声に私は意識を取り戻す。
とりあえず死んだふりをしながら傷口を塞いでいると悟空が吹っ飛んでいるのが見えた。
急いで傷口を塞ぐと悟浄の叫び声。
と、八戒が清一色に気功を放ったのが見えた。
「正気 だったんですか...??」
「正気じゃねェのはこの頭だろ」
そう言うと清一色の頭を銃弾が貫いた。
「三蔵??くっそーやっぱ演技かよッ」
その一言に私もむくりと起き上がる。
「真奈美さん怪我が??」
「大丈夫。治したから」
そう言うとにこりと笑う。
「せっかく隠したのにまた破くってどーいう神経してるんですかね、本当」
そう言うと四人に「怒るところはそこじゃない」そう呆れられた。
「我の術にはかからなかったのですか」
そう清一色が八戒に言うと
「ま 見くびるんじゃねェよってカンジですね?」
そう返していて思わずキョトンとした顔で八戒を見た。
「い、今八戒なんて...敬語じゃない?」
出てきた声はなんとも情けなく悟浄に
「どーよーしすぎ」
そう頭を叩かれた。
と、八戒が勝った様で腕が清一色を貫いていた。
「...まったく 貴方には失望しましたよ」
そういう清一色の顔はいい顔をしていた。
「あいにく最近自虐的傾向に飽きたんです
正確に言えば身近な方々に感化されたんですが
この手がどんなに紅く染まろうと
血は洗い流せる」
最後の言葉に私は自分の手を見つめた。
そしてくすりと笑うとその手を軽く握りしめた。
「...やはり我は心底貴方が嫌いですよ 猪八戒
貴方の様に生きる匂いしかしない偏屈な偽善者は」
「奇遇ですね 僕も貴方が嫌いです」
「真奈美、貴女はどちらの生き物なんですかね」
その言葉と共に消えた清一色。
その最後の顔はまるで八戒を見ていた時の顔つきだった。
「私は私だ...」
そう呟くと頭に暖かい重みを感じた。
見ればそれは三蔵の手だった。


添え木をして包帯を巻き終わった私は八戒の隣に腰掛けた。
そして八戒の肩を枕にして口を開いた。
「私さ、八戒に言い忘れてたんだけど」
「はい?なんですか?」
「真奈美さん、じゃなくって三人みたいに真奈美が、いい...」
そういうと少し恥ずかしく肩から頭を外し俯いた。
「真奈美、顔上げてください」
そう言われて顔を上げると優しい顔で頭を撫でられそして
ちゅ
「...え」
今、頬に、何が?
顔を真っ赤にして八戒を、見つめていると悟浄がこちらにやってきて
「?顔真っ赤にしてどーしたん?」
そう言ってきた。
私はそんな悟浄を殴ると三蔵のいる方に走っていった。
「...おれ、何かした?」
そんな悟浄の呟きに八戒が苦笑していた。


「三蔵??ちょ、ごめん??胸借りる??」
そういう言って三蔵に抱きついて先ほどのことを考える。
さっきのは一体?
と、動きがない三蔵なね顔をあげれば何故か固まっている。
「真奈美、なんだその服は」
その言葉に私は自分の服を確認するが何かおかしいだろうか?
と、悟空が
「なんかその服結婚の時に着る服みてーだな」
そう言われて私がぽかんとした。
まあ、パーティ用のドレスではあるが結婚式にはちょっと...
「そういう祝い事にはもっと煌びやかなのをみんな着ますよ?」
そういうと悟空はへーッと言って八戒達の方に向かって行った。
「違ェ...その、胸元空きすぎだ」
そう言われて見ればゆったりしたつくりのため胸が見えていた。
「...次の街に行ったらいい服探すね」
なんで、普通の服がないのか嘆きたくなった。

▼ツキモノ

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