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目を覚ますと俺は生きていた。 「つ…… いててて…」 気絶をしていた俺は生きていることに驚いた。 「あーもーちつっくしょ〜ドジったあ… …内臓痛えし 左足…絶対折れてンなコレ 着地しくじったからなー」 そもそも下のこんなところに落ちるなんて奇跡だし。 そう考えながら上を見上げた。 「…みんな捜してっかなやっぱ」 そういえば真奈美は? 視界に入らない大人びた少女を捜してみるが見当たらない。 落ちたときのことを考えてみた。 確か、落ちて下に鳥がいて壁側に落ちながらだけど移動… そう考えて自分の下を見ると少女が下敷きになっていた。 まさか落ちた時からずっとこのままだったんか?! 痛い体を動かして上からおりる。 「真奈美!真奈美!」 呼び掛けても反応がない。 俺はそれを呆然と見ながら呼び掛け続けた。
誰かが呼んでる。 私は目をうっすらと開けると涙を目に溜めた悟空の顔が目の前にあった。 …あぁ、生きてた。 私はゆっくりと笑顔を作り悟空をみた。 「怪我、しちゃいましたか…」 残念そうにそう言うと 「真奈美のバカッ!!」 そう怒られた。 ゆっくりと起き上がれば四肢の関節はまだ完治しておらず動かすと少しばかり痛いが内臓や砕けた骨は治っていて時期に関節も治りそうだった。 「ははっ…本当私、化け物みたい」 死にかけていたとは思えない身体を見て自嘲気味に笑いながら呟くと、痛いであろう身体で抱き締めてきた。 「真奈美は真奈美だから」 そう言われて前にも同じようなことを言われたことを思い出した。 「親子みたい」 「は?!誰が?」 「悟空と三蔵」 そう言うと私は笑って悟空の頭を撫でた。 もう全て完治しており関節も普通に動かしても平気になっていた。 と、何かが近づいてくる音が聞こえる。 「ジープ…!?」 私はそれを見ると立ち上がりジープの来た方を見る。 道はかなり細くなっていて人は通れないようだった。 「…通れないみたい」 そう言って振り返ると既に悟空は壁を登っており少し固まった。 「あー腹減ったぁ!!」 そう言いながら登る悟空を見ながら怪我しているんじゃ…そう呟きかけたのだった。
「うわっと?!」 半分まで悟空は登ると落ちてきた。 未だ下にいた私はそれを見ると虎になりクッションとなった。 「わりぃ」 そう言ってまた登ろうとする悟空を止め虹龍になり背中にのせ上に昇る。 「この方が良いと思うから、掴まっててね」 「ごめん…」 「お礼だから気にしないで」 私はそのまま匂いを頼りに木々の上も進んでいくとその先から発砲音がした。 私はそれを聞くと少しスピードを上げてそちらに向かったのだった。
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