(髪の毛がきりたい白さんともったいないと思うベルさん)



最近鬱陶しくて堪んない。おろした長い髪を弄りながらごろごろベッドに転がるホワイトにわたしはぱちりと一つ瞬きすれば、「え?」ともう一度尋ねる。ホワイトの髪の毛はいわゆる癖毛で、ウェーブが掛かった髪の毛だ。綺麗な茶髪は天然ものでウェーブもまた天然のもの。ストレートにしようと思えばいくらでもできるらしいから、ほんとは天然じゃないのかもしれないけれど。とりあえず、私はホワイトの髪の毛が好きだ。ポニーテールにしてるとふわふわゆれて綿菓子が淡く揺れてるみたいだし、楽しい。ホワイトの髪の毛は私の知り合いの中でダントツの髪質で好きなやつだ。伸ばしてあるのに、切るの?尋ねれば「邪魔くさい」と答えられた。確かに髪を洗ったりするのは面倒だろうし、何より重たくて仕方がないだろう。首元が凝るともいってたし絡みやすくて邪魔だというのも分かる。私のような短い髪の毛はらくだと思う。でもホワイトのそれは、切って欲しくないなぁ。わたしすきだし。



「それにさ、ホワイト」

「んー?」

「これから、秋を越えて冬になるんだよ。寒くなるよ。短いと首元すーすーして、つらいよ?」

「………ちょっと考える」

「そうしたほうがいいよ。切るなら春にしなよ、ミディアムボブヘアとかいいとおもうし」

「…うん」



ごろごろするホワイトににっこり笑ってそう言えばホワイトは暫くうんうん唸った。多分切らないと答えるだろう。寒いのが嫌いだし、冷え性だし。でもまあ髪の毛が冷たくなって背筋にあたると寒いんだけど、防具にはなるし。それにわたしはホワイトのやわらかい髪の毛が好きでたまらないのだ。くいくい引っ張ればホワイトは振り向いてなあに?と笑ってくれるし。それに、ホワイトの長い髪の毛はいじりがいがある。昔からホワイトの髪の毛に憧れていたし、長いままで居て欲しい。だから、わたしのわがままですが、そのままの貴方でいてください。明るく笑うホワイトの髪の毛が綺麗に空へ舞うのが、何よりも好きな光景だから。



わたしの好きなあなたのそれで居てください

(んー、やっぱやめた。春に切る)(うん、それがいいよ)(ホワイトは私の髪の毛でアレンジすきだもんね?)(うん。だから、春になったらほら、今度は私が伸ばすから、ホワイトが楽しんで?)(そうする!)



10.10.20


第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
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