(ちょっと注意警報。宜しくない表現有り)



寝てて最近見る夢は、彼女が「アイツ」の首を絞めている夢だ。それを見ていて気持ちがいいわけでもないし、目が覚めたとき気分がいいわけでもない。夢は人の深層心理を表すというけれど僕は彼女の殺意が実現してほしいなんて思っても居ないしそもそもあの男が消えたところでどうにでもなるわけでもないのだから、あんなものは意味がないのだけど。毎晩繰り返される殺意の夢。そのうちホワイトは泣きながら男の首を絞めてのっかかり、ブラックが同じく泣きながらホワイトの手を必死に離そうとするようになった。僕はただそれを傍観してるだけ。まるで僕の立場がそのまま夢でも再現されているかのようだ。ああ、そういえばベルはどうなんだろう、僕はずっと三人の哀れなそれを見ているだけだから、彼女がどこにいるかなんて知らない。そういえば首を絞められているNが苦しそうに唸っているのも聞いたことがない。何故だろう。



「殺されても構わないとおもってるからだよ」

「…ベル?」

「チェレンはとめてあげないんだね。本当は望んでる?ホワイトが彼と分離されて自由になることを」

「…質問の意味が分からない」

「変な人だね、これは貴方の夢なのに」

「……自分の夢だからといってわかるわけでもないだろう」

「そうだね。そもそも夢の中で夢だと自覚してるほうが可笑しいわけだし」

「話が噛みあわない。それにベルはそんなに饒舌じゃない。そんなに冷めた笑いをしない」

「それはそうでしょう、だって貴方が見る夢は貴方が知る人物の姿を借りて貴方の本心を表している。私は貴方だけど私はベルじゃないんだから」

「ベルの姿でそういう意味の分からないことを言うのはやめてくれないか。あと、ホワイトにこうして殺人を犯すようなまねも、」

「ホワイト?何いってるの。あれは、チェレンじゃない」



くすくす笑う声が聞こえた瞬間僕は馬乗りになり、緑の長い髪の男の白い首を両手でぎりぎりと絞めていた。側にはブラックが青褪めて倒れこんでいて、ホワイトが必死に泣きながら僕の手を外させようとしてる。



「本当は全部の元凶にしたい彼を殺したいのは貴方なのよ」

「……不愉快だ」



両手を外し背後のベルを見れば、ベルの姿を借りたそれはにんまりと笑い、けたけたと奇怪な笑い声を発した。



不愉快な悪夢

(枕が合わない。快適な安眠枕を購入することが当分の目標です)



10.10.17


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