(学パロ。ゲームから。悪がき金とサボり魔銀、優等生水晶と苦笑い琴&響)



あ、と。コトネちゃんが呟いたから僕はどうしたの?と首をかしげる。「くー姉さんが、」と指差すほうを見れば屋上に続く階段を睨み付けている三つ年上のコトネちゃんの従姉妹のお姉さんが居た。薄い水色の髪は二つに結われていて、癖がついているから特徴的だ。コトネちゃんも似たような髪質らしく、二人が従姉妹だと知ると誰もが「あー」と納得する。髪色は違えと二人とも癖が強い髪質らしくて、似ているから。ふとクリスタル先輩が振り返る。高等部の制服を着た先輩は大人っぽくて、顔立ちが少しコトネちゃんに似てるから高校生になったらコトネちゃんもああなるのかな、なんて思う。



「あら、コトネとヒビキ君じゃない」

「くー姉さん、どうしたの?」

「こ、こんにちは」

「はい、こんにちは。どうしたもこうしたもないのよ、いつもの二人が逃げ回ってて。高等部のどこ探しても居ないから可笑しいと思ったら、中等部の校舎の屋上に逃げてたのよ?まったく…ふざけたことを」

「よく分かりましたね、情報提供者がいたんですか?」

「居たわ。1年下の後輩。けらけら笑ってたわ、“高等部行ったときは毎日面白いものがみれそうですねー”なんて言われたし」

「それは、ええと…ざ、残念だ、ね?」



コトネちゃんが苦笑いする。クリスタル先輩はああそうねとため息をつけば、ぎろりと鋭い視線を屋上の扉に向ける。その瞬間扉が「かたん」と音を立てて息を呑む音がした。あ、これは確かな情報らしい。多分今のクリスタル先輩の怒りを感じたゴールド先輩とシルバー先輩の音だろうから。



「ゴォォォォルドォォォォォ…シィィィィルバァァァァァァ?今出てきたら…私から先生にちゃーあんとお話しておくし罪を軽くしてあげるわぁ…出てこないならぁ…力付くで出すわよぉぉぉぉ?」



ばき、と手を鳴らしにっこり笑うクリスタル先輩に僕は青ざめる。ああ、ゴールド、早く出てきたほうがいいよ。従兄弟として僕は君がもう死ぬか生きるかの瀬戸際だと思うから。ちらりと見て見ればコトネちゃんも青褪めてかたかた震えてる。あー、もうこれはやばいな。出てくる気配ないし、



「逃げるのがいいかもしれないね、怒鳴り声と騒音、乱闘で酷くなりそうだから」

「そ、うね。…ごめん、くー姉さん。あと、何したか知りませんが自業自得ですよ、ゴールド先輩…シルバー先輩…」



じゃ、と手を軽く上げて僕たちは早急にその場を去る。そして30秒後、がたん!どんっ!ばきっ!という酷い音とともに男子学生二人の叫び声が響き渡り、教師があきれた顔をしてやってくるのであった。



言うことは聞きましょう

(ちょ、クリス!落ち着け!)(お、俺はゴールドに唆されただけだ!)(て、め!ダチを売るってのか!?)(煩いわよゴールドシルバー!)((はいいいいい!!))(…いつになったらやんちゃが直るだろうね、ヒビキ君)(さ、さあ…)



10.10.10


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