(ゲーム設定。微妙に甘い?辛い?緑と金。子供の争いだけど言葉に注意。恋人じゃないんです)



ぱきん、ぱきん。面倒臭そうにゴールドが爪を切る。伸びすぎて爪が割れたらしい。面倒臭いんですけどー、と何度もぼやきつつぱきんと何度も角度を変えて細かくチェックし爪を整えていく。お前女かよ、呆れて言えば「自分の爪で怪我したくないし」と返され、「それに女はもっとこまけーし。爪きりじゃなくて爪磨きのやつで擦って削って艶出しやったりするし」と自分の手を見つめながら言われた。そういえば、姉さんも爪を切るとき一生懸命やっていたような。…爪きりで切ればいいだろ、と言おうものなら「女の爪は柔らかいからダメなのよ」と返される。その時はもうそうですか、と返すしかないわけだが―それにしても男が(しかも嫌ってる奴が)こうも目の前でちまちま爪切ってると女々しくて仕方が無い。ざくざくやっちまえと思いつつも下手にやって深爪になるのはアレだし、そもそも他人の爪どうのこうのいうことも無い。爪の破片を落とすなよと忠告すれば「はーぁい」と適当な返事をされ、ああ後で掃除機かけないと―と思った瞬間むに、と。頬に若干の痛みが走る。



「て、め…ゴールド」

「一々うっさいから仕返し。普段言葉でねちねち言われますしィ?」



いひひと笑われ俺は自分の頬を指で撫でる。ッテメ、俺の顔にキズでもついたらどーすんだ!小指だけ爪を長いままにしていたらしい。鏡で見れば赤く三日月の痕が一つだけついている。お前はネコか、睨みつければ猫みたいにつめでかっちゃくんじゃなくて痕がついてるだけなんだからいいじゃないすか、と返されるからこれまた頭にくる。一々お前は素直に言葉も言えず謝れずなんでそう返すんだ。頭に来たからゴールドの腕を掴み、こいつの指先に唇を寄せればがり、と。小指を軽く噛んでやる。「ひ、!ちょ、うえっ、何してんですか!」抗議の声なんて知るか、お前に先輩を労わる心を植えつけるために教育してやんだよ。噛んで出来た痕に舌を這わせれば「へんたい!」と片方の手で顔を押しのけられる。だからお前顔はやめろっつってんだろ!



「さわんな変態!」

「変態じゃねーしクソガキが」



べ、と舌を出せばゴールドはだんっと俺の足の指先を踏んづけてくる。っ、てぇ…な…!コイツマジぶっ殺す。ゴールドの服の裾を引っ張りこちら側に身体を寄せれば嫌がるこいつの抵抗を封じて首元に噛み付いてやった。



噛み癖に注意

(死ね、マジ死ね緑野郎)(金目の猫こそくたばれ馬鹿が)(変態のくせに!)(まだ言うか!)



10.10.05


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