(学パロ設定。電波なNさんの一目惚れ話)



見えたセーラー服と学ラン。鋭い視線を向けた少女と、目を伏せ静かさを持つ少年。二つの存在が頭から離れず僕はある手段をとることにした。何時だって束縛され、自由を奪われ見たくもない裏側を見せられて生きてきて、歪んだ思考を持つようになってしまった。平穏さとは無縁の生活、生きている実感のない日々。唯一僕が僕でいられたのは留学先での生活だった。僕の視点から見る全ては面白いと言われ、逆にまたその見方は捻くれているともいわれた。素直に言われたそれらは悪くなかったし、寧ろ好ましくて。出来ればあの場所にずっと居たかったほどだ。心を死なせるために居るような場所での生活は辛く重苦しくて、僕はずっと僕の全てを変えてくれるトモダチを求めていた。そう、許せる“あの”トモダチなんかじゃなくもっと僕が楽しく、そして心踊るようなそんな人を。そして僕は出会った、双子の少女と少年に。ああ欲しくて堪らない、少女は僕と似た目をして誰にもいえない闇をずっと抱えている。同志だろう彼女はきっと。彼女の奥底がどれだけだか、分からないから少し恐いけれどそれでも彼女は僕にとって楽しい存在になるに違いない。そして彼は僕にとって安らぎとなるだろう、彼の目は優しく穏やかで僕をひきつけて離さない、いっそあの目をくりぬいて僕だけのものにと思うけれどきっとその存在が穏やかなのだろうから、それごと欲しい。ああ二つともどうすれば手に入れられるだろうか、そうして考えた手段は実に、異常者らしい行動だった。



「財布と学生証を取り返してくれて、有り難う。…ねえ、頼みがあるんだ」



悪魔の言葉に耳を傾け、僕を哀れに思い手を差し伸べたのが、運の尽き――。運命者たる君たちはもう、僕の檻の中だ。つった魚に餌はやらないってわけじゃない、大層可愛がり愛しめでてあげる。欲しくて堪らない君たち、これって恋だろうか。寂しさの中で執着できそうな者を見つけたにしてはありえないほど歪んでるから多分コレは愛だね。特にあの男の子には僕は完全に一目惚れだ。女の子の方は多分恐いけど好奇心かな、でも女性の中じゃ一番好意的な相手かもしれない。なんでもいい二人に目をつけてしまったんだ、さて愛するものはどういう形を取るか知ってるよね。もう僕の言葉を聴き手をとった時点で君たちは僕に同意したとみなすよ!



Nさんの野望が出来た理由

(それは一目惚れという名の拘束執着からのものでした)



10.09.27


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