たましいが抜けて
肉体が糧を失うとき
その瞬間の儚さが
たまらなく好き。
人の死とはその人にはもう二度と会えなくなることを意味する。
それはとても寂しいこと。
けれどそれよりも
冷たく、固くなった躰が、わたしは愛しくて仕方ない。
*
性倒錯と罵られても否定はしないわよ。けれども個人的には単なる好みの問題なんじゃないかしらって思うのよねェ。
わたしはただ、美しいと思ったものを集めているだけなんだもの。
初めてのコレクションは貝殻だったわ。どこかの国へ行く度にひとつ、拾って帰るの。
貝殻の美しい模様は成長の証として育まれ、生きた痕跡として磨耗され、居残るのは糧を無くしたもぬけの殻の貝殻のみ。
彼らは主を亡くしてもなお、その生き様を示し続けるのよ。
その儚さがロマンだと思わない?
あの頃夢中で集めた宝物は今となってはただのガラクタへと成り果ててしまったけれど、あの熱は未だわたしの内でくすぶりつづけているの。
静かに、激しく。
遺しておきたいのは、