※未来設定。







「そろそろ…家族が増えるのは、どうかな?」

ソファで接吻けを繰り返していた時に、ふとレンがそう言ったのだ。春歌の頬をその大きな両手で包み額をこつんと合わせて。顔を朱に染めて不安げに見つめる姿は、テレビに映る自信に満ち溢れたものとはかけ離れている。入籍は三年ほど前に済ませていたが、二人の間にはまだ子供がいなかった。というのも、夫婦になってからもレンが避妊具を使い続けたからだ。

愛に飢えた、不遇な子供時代を送ってきた彼にとって子育てに対する躊躇いは人より大きなものだった。あの少し横暴な執事や、陰ながら長兄の支えがあって成長はしたが…思春期から暫くは女心を弄ぶようなこともした。そんな自分が、真っ当な人間に育ててやれるのか不安だった。何より彼は、子供が増えたことによって生活が変わり…春歌を失うのを恐れていた。子が生まれたことで諍いを起こし、破綻するケースは珍しくない。


それでも、春歌への思いが大きくなっていき、ぼんやりと彼女に似た娘がいたらそれはもう愛らしいだろうなぁと思うようになった。その子にどんな事を教えて、どんな服を着せて、たまにしかない休日にはどこへ連れて行こうかと考えるようになり…やはり彼女との愛の結晶が欲しいという思いが、失う恐怖を上回り、そのことを彼女に告げたのだった。


「つまり…赤ちゃん、ってこと、ですよね」

確認すると、レンは無言のままこくりと頷く。接吻けで高まっていた春歌の胸が、更に熱を帯びる。未だに不安げに見つめてくる夫に彼女は、ちゅ、と軽く唇を合わせ微笑んだ。

「……下さい、あなたの赤ちゃん…」





ベッドに移動した後、レンはやや荒い手付きで彼女の服を剥ぎ取った。いつもは春歌の負担を考えて、睦言を囁きつつ体中を愛撫するのだが…その日は性急に彼女の膣へと指を突き立てた。サックスを器用に操る指が、少し痛みを感じるくらいに強引に媚肉を広げていく。その指も早々に引き抜き、レンは何も被せていない精器を入口へと押し当てた。

「ごめん、優しく…できそうに、ない」

震える声での呟き直後に、ぐいと一気に行われた挿入に春歌は声にならない悲鳴をあげた。体の内を焼かれる感覚に何も考えられなくなり、ただ必死に目の前にいる彼へと縋りつく。一ミリにも満たないゴムが無くなっただけだというのに、今までの何倍も熱く感じる。ぴたりと体を密着させて、どちらのものかわからない激しい呼吸とベッドが軋む音を聞きながら激しい抽送に耐えていると…

熱い液体がじわりと胎内へ広がった。

体が離れていくのに寂しくなり閉じていた瞳を開くと、レンが愛おしげに精を注ぎこんだ腹を見つめ、撫でていた。行為とは正反対の穏やかな彼の表情に、春歌は思わず頬を緩める。そして、愛しい夫の名を呼んで接吻けをねだった。



家族関係
(君との子だからこそ、欲しい)




あい 様へ。
レンで不健全というリクエストをいただきましたので、レン春夫婦の子作り、というかそれに至る経緯について妄想爆発させていただきましたwレンはきっともっと紳士でかっこいいと思うのですが、私の書く彼はヘタレというか弱さが目立つ男になってしまいます(´・ω・`;)
そんなヘタレンですが、お楽しみいただけたら幸いですvあ、勿論リクエストの意図と違いましたら遠慮なくおっしゃってくださいませ。
この度はリクエストありがとうございました!(*´∀`)人


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