名前に指輪をやった。
そうすると、こいつは何故か箱を買いに行くという。
俺から貰った指輪を外す時、それを仕舞っておく特別な箱が必要なのだと主張する。
俺はこいつの彼氏であるから、仕方なく、めんどくせーが、買い物に付き合ってやることにした。

名前の買い物は、それはそれは長かった。
まず店選びに三十分。
決めた店で箱を厳選すること三十分。
合計してだいたい一時間。たかが箱一つに。
退屈すぎて欠伸が出る。

名前は、深みのある真紅の小箱を帰ってから丁寧に取り出すと、嵌めていた指輪をこれまた丁寧に外し、箱に収めた。
箱は指輪より幾分大きかったが、そこに置くことが当たり前のように馴染んだ。
大事そうに小箱の蓋を閉め、満足そうに俺を振り返る名前の思考回路は正直理解できないが、その笑顔を見てしまっては、ああこいつだから付き合ってるんだな、と俺らしくもない気持ち悪いことを考えてしまうんだ。

20150517
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