※後味が悪い



万屋に行くからついて来て、なんて。
どうして優しい清光でも従順な長谷部でもなく、同田貫に言ってしまったのだろう。
だって彼は私の近侍だから。
一番に信頼している刀だから。
でもその思いは、私を見る軽蔑の目を前にして跡形もなく消え去ってしまったんだ。

「なんで」
「な…なんで、って」
「俺がついて行く道理は?」
「短刀の子たちにお菓子でも買ってあげたいなって、思ったから…」

思わず目を逸らす私のことを、同田貫は視線を外さず見つめていた。

「前々から思ってたんだがよ、お前が刀に求めるものは間違ってる」

「大将ってのは気楽なもんでいいな。平和ボケってやつか?ま、ハナっから女にろくな期待してねぇけど」

ああ、ああ。
今すぐここから消えてしまいたい。
審神者、なんて。
刀に戦より触れ合いを求めるような私がなるべきものじゃなかったんだ。
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