日向くんのことが大好き。
中学の間は誰からもいないものとして扱われていた私を目に留めて話し掛けて、笑いかけてくれた人。
高校生になっても何も変われずにいた私に対して、友達になろうと言ってくれた。
入学初日に彼からもらった言葉は、今思い出してみても神様からの贈り物みたいに輝いている。
私は変わろうと思った。
恥ずかしくない人間になろうと思った。
そうしたら日向くんの友達として相応しい人間になれると思った。
けれどダメ、駄目なの。
私に話し掛けた次の日、日向くんはクラスの別の子に友達になろうと言っていた。
その次の日も、次の次の日も。
友達になろう。友達になろう。
彼は八方美人な訳ではない。
ただ本当に純粋に、陽光のような温かさでどこにでも馴染んでいくだけ。
その事実が私には耐え難かった。
他の人に優しくしないでって言ったら日向くんはびっくりするかな。
おれはお前の何なんだよって怒るかな。
ああ、やっぱり日向くんなんて大嫌い。

影は日に当てられて泣く
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