「…星が」 「流れ星どころか、普通の星ですら一個も見えねーな」 「せっかくの流星群なのに!」 「さっきまで雨降ってたからなー。そう都合良くは晴れないだろ」 「ええー」 「しょうがないだろー?また今度見ようぜ」 「…今年はさ、すっごく条件がいいんだって」 「ほう」 「次に同じくらい条件が揃うのは2021年」 「だから?」 「その時も犬飼と一緒に見られるとは限らないじゃん」 「なに、お前そんなこと心配してんの?」 「そりゃあ、多少は、不安があるというか」 「だーいじょうぶだって」 「何を根拠に、」 「次も絶対、隣にいてやるから」 「…お願いします」 「お。なんだぁ?今日はやけに素直じゃねーか。こりゃあ星が山ほど降るぞ、雲の向こうで」 「そうやってすぐ茶化すのやだ」 「いいじゃん。お前かわいいよ」 「…犬飼うるさい」 「照れ隠しがへったくそな奴に言われたくねーな」 ペルセウスが泣く夜に |