▽おためし大坪さん

「大坪さん、今日は風の気持ちいい日だと思いませんか」
「そうだな。過ごしやすくていい日だ」
「きっと部活の練習もいくらか楽になるでしょうね。最近暑かったから」
「バテる部員が一人でも減ってくれればいいんだがな」

「大坪さん、裏門のあたりに猫がたむろしてますよ」
「おお、本当だな」
「私の教室の窓からもよく見えるんです」
「あいつら、あんなに固まって寝て、なんだか息苦しそうだな。はは」
「そうですね」

「大坪さん、今日はお弁当じゃないんですね」
「たまにはな。さっき購買で買ってきたんだが」
「これを全部食べるんですか?」
「なんだ、物珍しいのか。まあ、女子には無縁な量かもしれんな」
「…おいしそうなパンですね」
「欲しいか?なら分けてやろう、ほら」
「ありがとうございます」

「大坪さん、なんだか雨が降りそうですよ」
「ああ、確かに。午後の体育は外では無理かもな」
「…大坪さん、」
「ん?今度は何だ」
「私が毎日、こうしてどうでもいいことを話しに来る理由、知ってますか」
「知ってるぞ、もちろん」
「…そういうところが好きです」
「そうか。ありがとう」

思慕

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▽おためし伊月さん

「コーヒーゼリーおいしいですね」
「そうだね」
「でも、私どちらかというとプリン派で」
「オレもプリンは好きだな」
「そうなんですか」
「たっぷりプリン…とかさ。こう、商品のネーミングセンスに惹かれるものがあるね!」
「はあ(イキイキしてる…)」
「オレも見習わないと」
「あの」
「ん?」
「実は私、ヨーグルトが一番好きなんですよね」
「…そ(よ)ーく(ぐ)るとは思わなかった!」
「はい?」
「え、だからそーくるとは」
「聞こえました。どういう意味ですかそれは」
「そうくるとは、とヨーグルトをかけてみたんだけど」
「(ダジャレを真顔で解説できるって、すごい人だな)」

伊月さんを書けない理由:これ

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▽おためし若松さん

「出会いがしらから耳ふさいでんじゃねえよ」
「うるさいです」
「まだ何も言ってねーぞこらぁ!!」
「うるさくなった…」
「誰のせいだ誰の!!」
「桜井くんをご存知ですか」
「は?…あたりまえだろーが」
「私、あの人好きなんですよ」
「なんでだよ」
「あなたが逆立ちしながら死んで生まれ変わったらあんな感じの人格だと思いません?」
「おい殴られてーのか」

「今吉さん、あの人面白いですね」
「おー、若松のことか?あんまりいじめんときやー噛みつかれるで」

謎の喧嘩腰

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▽おためし実渕さん

「実渕さん」
「なーに?」
「そろそろ手を離してほしいんですけどー…」
「あらダメよ、まだあなたの割れた爪を何ともしてないじゃない」
「血が出たわけでもあるまいし、大丈夫ですよ」
「まったく、そんなに急いで何をしに行きたいのかしら」
「男子のサッカーに混じりに」
「…はあああ」
「重すぎるため息はよしてくださいよ」
「もったいないわ、あなたはこんなに可愛いのに」
「だから、それは思い違いですって。何を施したって、私は野生児のままですよ」
「そうやって拒否されると逆に燃えちゃうのよね〜」
「…もしかして、私が嫌がることをわざと選んでやってます?」
「うふふ」
「…まいったな」
「早いとこ折れて好きにさせてくれない?」
「うーん、オカマの人って手ごわい」
「素直なところも嫌いじゃないけど、その言い方はさすがに傷つくわね…」

原石を磨きたい人のイメージ

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▽おためし笠松さん

「笠松せーんぱい!練習お疲れ様です!」
「わんわんうるせーなー、お前」
「えっ…あの、私普通に話してるだけ…」
「人間の言葉しゃべれよ」
「いえ、えっと、あの」
「吠えられてもわかんねーって」
「う、ご、ごめんなさい…」
「ちょ、ちょっと先輩!うちのかわいこちゃんいじめないでほしーんスけど!」
「あーわりーな、お前と同じ顔だしな、つい」
「…笠松先輩、」
「あん?」
「私、髪染めてきます…」
「な、何言ってんの!?オレの天使はそんなことしなくていーんスよ、ほら先輩からもそう言って!」
「だって涼太とそっくりだって毎回言われる…」
「い、嫌?なの?」
「…嫌じゃないけど」
「なら染める必要ないから!ありのままを先輩に好きになってもらえばいーから!ねっ!」
「とりあえずそこのいちゃついてる双子はグラウンド十周してこーい」
「先輩の鬼ー!!」

黄瀬の双子妹は主将にお熱
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