「新年早々遅刻とはいい度胸だな?寒い中先輩待たせやがって、轢くぞ」
「宮地さんに土下座して、高尾!」
「オレかよ!」
「高尾が初詣に着物着ていく、なんてわがまま言うから!結局間に合わなくてやめたし!」
「付き合う方もどうかしてるのだよ」
「緑間も年明けに合わせて眼鏡を新調するとか言って選ぶの悩んでたくせに!」
「む…いいだろう。それくらい」
「なんだ、お前ら。三人で年越ししたのか?」
「仲いいな」
「大坪さんも木村さんも他人事だから言えるんですよ…もう年末に二人のお守りはしないって決めました」
「なっ」
「マジかよ、ごめんって!」
「まーまー落ち着けよ。お前以外にこの面倒な後輩どもを任せられる奴いないぞ?」
「宮地さん…それ嬉しくないです」
「だろうな。屋台で好きなもん買ってやるから元気出せ」
「オレも奢ってやろう」
「お、お父さん…!」
「ブフッ!大坪さんがおとーさんポジションとか…!」
「高尾は神社周り十周してこい」
「なんでっ!?」
「…緑間は何をそわそわしてんだ?」
「木村さんからお年玉をもらう心の準備を」
「お前受験生から金せびる気か。鬼だな」
「そいつには奢っているのに、ですか」
「あいつはいーの。可愛いから」
「…どこがですか?宮地さん」
「緑間、本気で怪訝そうな顔をするな」

「高尾、先輩たちの合格お願いしようよ!」
「それ神頼みするもんじゃなくね?」
「そっか、じゃあ今年の大会とか…」
「それもオレらで叶えるっつーの!自分の願い事してろよもー」
「…えー」
「しょげんなって、気持ちは嬉しいから!な!」

「オレたちの会話に気付かないでああいうこと言ってるとこだろ」
「まあ、確かに」
「お?年明け早々緑間がやけに素直だぞ」
「そんなことないです、木村さん」
「お前ホントめんどくせーわー」

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