「なんでみんなが同じ菓子持ってるアルか」 「日本人はイベント好きだからね」 「行事?」 「いや、そんなたいそうなものじゃないよ」 「でも氷室はたいそうな様子アル」 「あー…もはやハロウィン状態だね。困ってる困ってる」 「これ食べるとそんなにいいアルか」 「うーん、言っちゃえばお菓子業界の戦略だから…あれ、持ってるの」 「さっき買ってみたアル。好奇心には忠実に」 「素直でいいね」 「で、どう食べるのが正解アルか」 「え、好きに食べればいいんだよ。おいしく食べて楽しければいいの」 「適当だなぁ。劉にポッキーゲームとか教えてあげないのか?」 「あ、氷室」 「あ、噂の男アル」 「なんで噂?」 「わかってないのか、この男は…」 「そうだ、二人も食べない?沢山もらったんだけど絶対食べきれないからさ」 「いや、ちょっと遠慮するなぁ」 「神経疑うアル」 「え。参ったな、アツシにも分けるか…」 「まず人にあげるって発想をやめようよ。女子からもらったんでしょ?」 「でも、みんなで食べてって」 「建前と本音くらいわかれアル」 「困ったな…」 「ま、頑張って。劉これ食べよ」 「是。せいぜい苦しめモテ男」 「…なんだか楽しくないな。オレも混ぜてよ」 「はいはい、ごめんって」 「これくらいで拗ねるなんて仕方のない奴アル」 仲良しクラスメイトとエブリデイモテ男氷室 |