波打ち際は水色サイダー | ナノ
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「あ、真田君」

「苗字、さん?」


スーパーで食材を買いに行ったら、転校生の真田君に会った。意外だ。男子高校生っぽく、料理とかそういうのしないタイプだと思ってたのに。失礼だけど。でも向こうも同じこと考えてそうだからおあいこだろ。目、見開いてるし。

「真田君も料理するんだね」

「ばあちゃんが入院したから…」

「そうなの?大変だね…」

そういえばおばあさんと二人暮らしとか言ってたな。今はハルもいるとか。

「苗字さんは?」

「あ、私夏樹んちの夕食作ってんの。お隣だし」

「へ!?何で!?」

真田君はさらに驚いている。まぁ普通は幼馴染だからとかってしないよね。私も思うわ。

「保さん…夏樹のお父さんとか、さくらちゃん…妹ちゃんに頼まれちゃって。私料理好きだし」

「へー…」

「料理とか欠片もできなそうって思ってたでしょ」

目を点にしたままの真田君へ意地悪く言ってみる。案の定彼は慌てて否定した。

「そ、そんなことないって!でも、よくやるな」

「んー、私も実験?してるところあるからありがたいかな」

作っても消費する人いないと困るだけだし。感心したように相槌を打ちながら、真田君は醤油を手に取る。あ、私も醤油買おう。

「真田君にも作ってあげようか」

「へっ」

あれ、何言っちゃってんだろ自分。夏樹が絡んでるから私も話してるとはいえ、そこまで真田君と仲良くないのに。こんなフレンドリーな奴だっけ私いやんなわけないなそうだったらコミュ障でいるわけがない。真田君が固まってしまったので気まずくなってしまう。うわーヤメテーこういう空気耐えらんねーんだYO!

「いや別にこんなオタ野郎の料理食べたくないなら」


「食べる!」


目をそらして早口で誤魔化していると、突然真田君がスーパーの中だっていうのに叫んだ。さっきの真田君と変わって、今度は私が目をしばたかせる番だった。人前で大声を出した自分が恥ずかしかったのか、彼は顔が真っ赤になっている。

「え、と、その、」

……なんか可愛いな。男子にそう思うのは失礼かな。くすりと笑ってどもる真田君へ言った。

「いいよ。今度作ってあげる」

「あ、う、うん…」

「ハルは連れてこないでね。めんどくさいから」

「えぇ?」

案外真田君は面白そうだなあ、と思った、ある日のこと。




転校生との親交




ユキむずいです。どうやって絡ませるか悩みますうわあああああ。でも5話見てさらにユキが可愛く思えましたなんであんな可愛いの。一生懸命な子、好きです。
追記・名前変換入れるの普通に忘れてたすいません…!


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